Shopify(ショピファイ)は5月20日、同社の電子商取引プラットフォームを使用する100万人の小売業者のためのバーチャルカンファレンス「Reunite」で、いくつかの新製品と機能を発表した。
追加機能の中には「Shopify Balance」がある。最高製品責任者のCraig Miller(クレイグ・ミラー)氏は、ビジネスのニーズにより適した銀行口座を再考する試みだと説明した。「銀行が提供する伝統的な商品は全く違う世界で考案された」とミラー氏は述べる。「それらをどう設計すべきかという最初の原則に立ち返った」。
Shopify Balanceは手数料や最低預入残高のない小売業者の口座だ。ミラー氏は、口座開設「当初」の口座資金はShopifyからの入金のみだと述べた。小売業者は追加の資金を預け入れることはできないが、ログイン、資金繰り管理、請求書に対する支払いはできる。口座にはデビットカード(仮想または物理的なカード)が付いており、Shopifyはキャッシュバックの特典や、発送やマーケティングなどの費用の割引も行うと述べた。
「Buy Now, Pay Later」機能も発表した。小売業者が顧客に、利息や追加料金なしで支払いを4回均等分割にするオプションを提示できる機能だ。
同機能は、高額商品を販売する小売業者にとって特に役立つ。記録的な失業と経済的不確実性の中、「多額の借金を抱える」という不安からクレジットカードで高額商品を買うことをためらう顧客がいるかもしれない。一方で小売業者は「即座に」支払いを受けられる。「ShopifyはShopify BalanceとBuy Now, Pay Laterの両方に関して金融業界のパートナーと協業している」とミラー氏は述べたが、詳細は明かさなかった。
Shopifyは2020年後半に両方の製品をリリースする予定だ。そのほかの新機能には、「Local Delivery」オプションがある。小売業者が地域の顧客1人1人に向けたデリバリーエクスペリエンスを設計できる機能だ。また、ロボット工学を利用したフルフィルメントネットワークを加盟店に開放し、チェックアウト時にチップを受け付けられるオプションを追加した。
Shopifyが過去数カ月に実施したすべてを結びつける幅広いテーマは、小売業者が新型コロナウイルスのパンデミックに適応する際に「驚くほど急速に高まったデジタルの重要性」だとミラー氏は述べた。
このイベントは、Facebookが「Facebook Shops」を発表した翌日に開催された。Facebook Shopsによって、小売業者はFacebookページとInstagramプロファイルにデジタル店舗を加えることができる。Shopifyは実際にはこのイニシアチブのパートナーだ。小売業者は、ShopifyのプラットフォームからFacebookとInstagramの店舗を管理できるようになる。
画像クレジット:Richard Drew / AP
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/05/22/2020-05-20-shopify-balance/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha