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快適な在宅ワークの必需品!予算10万円で選ぶ本格ワークチェア5選

自宅でのデスクワークを経験し、「ワークチェアを買い替えたい」と思った人も多いのでは? 簡易なイスは長時間座っていると腰が痛くなるし、ソファでは仕事に集中できません。そう、長時間のテレワークに必要なのはワークチェア。イスを見直すことでデスクワークは驚くほど捗ります。そこで、おすすめのワークチェアを予算10万円で探してきました。

 

■チェアコンシェルジュが教えるイス選びの基準

▲ワークチェア専門のセレクトショップ「WORKAHOLIC」

自宅での仕事環境を快適にしてくれるワークチェアを数多くそろえているのが、オフィスファニチャーセレクトショップ「WORKAHOLIC(ワーカホリック)」。東京・馬喰町にある店舗では、国内外17ブランド・70脚のチェアをまとめて試すことができます。この人気店に常駐しているチェアコンシェルジュの伊藤さんに、おすすめのワークチェアについて話を伺いました。

▲WORKAHOLICのチェアコンシェルジュ・伊藤僚範さん

さっそく、おすすめのワークチェアを紹介してもらおうと思ったところ、伊藤さんから提案が。

「ワークチェアを選ぶ前に、“身体に負担のかかりづらい座り方”を知ることが重要です。デスクワーカーが抱える腰痛や肩こりは、前傾姿勢や猫背といった身体に負担のかかる作業姿勢が原因であると考えられます。高価なワークチェアを購入しても、そのような姿勢で作業を続ければ身体への負担は軽減されません」

では、どのような座り方をすればいいのか。

「高機能なワークチェアは、背面が人間の背骨の形に添った形状になっています。さらに腰が後ろに沈まないようにランバーサポートという腰を支えるパーツが付いているものが多くあります。こういったワークチェアを使用した負担の少ない作業姿勢は、PC作業でも筆記作業でも深く座り、背面の形状にしっかり身体を預けて座ることですね」

PC作業時は直角に座るより、約10度ほど後傾することが望ましいとか。自身の筋力で姿勢を維持するのではなく、背面のサポートを受けた状態で作業できるため、身体に負担がかからず良い姿勢を続けられるそうです。

 

<ワークチェアの選び方>

1. 座面と背面の感触

ワークチェアは「深く座り、背面に身体を預けて座る」ことが身体に負担をかけない座り方。身体の軸を支えるのは座面と背面なので、その部分が身体にしっかり合えば、それが椅子選びの全てと言っても過言ではないそうです。

痩せ型の人はクッション性がある座面と相性が良く、また汗をかきやすい人はお尻が蒸れにくいメッシュの座面がおすすめとのこと。「メッシュは深く沈みこむ独特な感触があるので、座った経験が無い方は一度試されることをおすすめします」

ワークチェアの背面は、背骨の形状に沿ったS字のカーブをしているため、深く座った際にしっかり背中がつくことが大事なのだとか。「腰のサポート部分に触れた感触がポジティブな印象なのか、あたって痛かったり異物感が気になるようなネガティブな印象なのかは、チェア選びではとても重要です」

 

2. 調整機能

調整機能とは、アームレストやヘッドレストなどチェアの可動する部分のこと。作業姿勢を補助する重要部分なのだそう。

「キーボードを打つ作業では、アームレストの高さは肘が90度くらいになるように調整して、アームレストとデスク天板の高さをチェアの上下で同じ高さに合わせます。そうすることで、背中をつけながら肘をアームレストにのせてラクに作業できます。シートの高さ調節でかかとが浮く場合は、フットレストのご使用をおすすめします」

また、長い時間モニターを見続けるような人は、前後に動かせる可動ヘッドレスト付きがおすすめとか。ヘッドレストを使うことで、背中をつけた後傾姿勢でも、頭を乗せて負担が少なく作業できるそうです。

 

3. 総合点

「多くのお客様は、上記の2点を満たしている商品から、納期・価格・好みのデザインなどの条件を総合的に考えて購入を判断することが多いですね」

伊藤さんによると、高機能なワークチェアは受注生産品のものがほとんどで、納期は海外メーカーだと2〜3ヶ月、国内メーカーでも3〜4週間かかるものがあるそうです。「ご来店される方は身体の負担がきつくなってからご相談に来られる方が多いので、納期は商品を選ぶ際の重要項目の一つだと感じます」

価格に関しては言わずもがな。予算は限られているので、最終的には金額との折り合いが大事。「いくつかのチェアに絞ったときに、最後は予算の中で決めるという方が多いです」

そしてデザインはやっぱり重要。機能などを少し妥協しても、商品を選ぶ決め手になります。「もちろん全く活かせないチェアを選ぶことや問題点があれば注意をお伝えします。しかしいくつかに足らないところも、好きなデザインを使うというモチベーションには敵わない、そんな風に感じることさえあります」

 

■予算10万円で探す、おすすめワークチェア5選

ワークチェアの座り方・選び方を知ったうえで、伊藤さんのおすすめ5脚を紹介してもらった。身体をしっかり支えてくれるワークチェアなら、長時間作業していても疲れにくい。デスクワークが驚くほど快適になるので、予算10万円は決して高くないはずだ。

 

1. デスクワークもリラックスもおまかせ!

エルゴヒューマン
「エルゴヒューマンプロ」(9万8780円)

▲エルゴヒューマン「エルゴヒューマンプロ」

高級感のあるアルミダイキャストポリッシュフレームと、高い機能性を持ち合わせたエルゴヒューマンの代表モデル。最大の特徴は「独立式ランバーサポート」。腰部のパーツが独立しており、座る人の腰のカーブをしっかり作ってくれる構造になっている。腰痛が気になる人に最適。

また、ヘッドレストやアームレスト、背面の高さなど各所を調節できる高い機能性も魅力。他のチェアに比べて深くリクライニングできるため、リラックスして自宅で過ごす場合にも大活躍。また、別のモデルではオットマン付きなどもあり、「1脚で作業とリラックスに使えるチェアが欲しい」という人におすすめ!

 

2. 包み込まれるような座り心地を味わえる

オカムラ
「シルフィー」(7万8249円)

▲オカムラ「シルフィー」

国内有数のオフィス家具メーカー、岡村製作所(オカムラ)の注目モデル。座面は硬さの異なるウレタンクッションを採用。背もたれは成人男女の腰まわりを測定した結果を活かして作られた「バックカーブアジャスト機構」で、個人差のあるカーブを簡単に調節できるよう作られている。

座面の柔らかさと背もたれのカーブにより、やさしく包みこまれる座り心地を実現しており、長時間のデスクワークでも疲れにくい。また、前傾機能付きのシンクロリクライニングを搭載し、前かがみでの作業姿勢もサポートしてくれる。

 

3. パーツの配色が選べるデザイン性も魅力

ハーマンミラー
「セイル」(10万7800円)

▲ハーマンミラー「セイル」

背面には、吊り橋の原理から生まれたフレームの無いサスペンションバックを採用。身体をしっかり支えると共に、しなやかな可動で自由な動きをサポート。バランスが安定し、非常に座り心地がいい。

船の帆のようなデザインと、各パーツのカラーを選べるカスタマイズ性も魅力。書斎やリビングなどあらゆる作業スペースをコーディネートして楽しみたい人や、デザインも重視してワークチェアを選びたいという人に向いている。税込価格は10万円を少々オーバーしてしまうが、ハーマンミラーであればぜひ検討したいところ。仕様によっては10万円以下に抑えることもできる。

 

4. アームレストの調整機能は随一

イトーキ
「アクト」(9万590円)

▲イトーキ「アクト」

「アジャスト&アクティブ」をコンセプトに開発されたワークチェア。国内初の4Dリンクアームにより、アームレストの高さや角度、左右の間隔まで自在に動かせるため、肘をベストポジションに置くことができる。キーボードやスマートフォンを操作するときも瞬時に調節可能。今までアームレストが体に合わなかったという人や、多くのデバイスを仕事で使う人のサポートにも最適。

さらに、背面がピボット構造になっている点も見逃せない。背面に寄りかかったまま腰をねじると、背もたれが肩の回転姿勢に追従する仕組み。チェアに座りながら身体を動かすなど、デスクワークの合間のリラックスにも便利。

 

5. 圧迫感の少ない背面デザインがポイント

エアーズ
「エアー03」(5万4780円)

▲エアーズ「エアー03」

簡単には切れない強度と、背景が見えるほどの透明感を併せ持つ「エアーメッシュ」を背面に採用。大振りなワークチェア特有の圧迫感が少ないため、狭い部屋にも取り入れやすい。

座面には衝撃吸収用のコイルが入っており、弾力のある座り心地で長時間のデスクワークも快適。また、座面の張地にはデンマークのガブリエル社のファブリックを採用するなど、座りやすさと高級感のあるデザインを求める人に最適。リビングデスクにも相性抜群の1脚だ。

 

>> WORKAHOLIC

取材・文/津田昌宏

津田昌宏|フリーエディター。ファッション誌、モノ情報誌などの編集部を経て独立。現在はフリーランスとして数多くの媒体に寄稿する。

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