SpaceX(スペースエックス)は米国時間5月29日、Starship(スターシップ)SN4型ロケット試作機に搭載したRaptor(ラプター)エンジンのさらなる地上燃焼テストをテキサス州ボカチカで行ったが、ロケットは爆発した。これはこのタイプの試作ロケットに搭載したRaptorエンジンの4度目の燃焼試験となるが、他の燃焼試験と違い何が悪かったのか原因不明のままだ。
燃焼テストは、SpaceXがボカチカで建造している新型宇宙船Starshipの開発の一環となる。これはFalcon 9(ファルコンナイン)ロケットやFalcon Heavy(ファルコンヘビー)ロケットの後継機として使用されることになっているが、飛行テストを何度も成功させてはいるものの、まだ開発初期段階にある。
SpaceXは、Starship試作機の短距離弾道飛行のための認可を米連邦航空局(FAA)から取得したばかりだ。目標は、このSN4型試作機のエンジンの地上燃焼テストを成功させた後に短距離飛行を行うことだったが、5月29日の試験でロケットは完全に破壊されてしまったため、どう見ても予定どおりとはいかなくなった。下のNASASpaceflight.comのストリーミング動画をご覧いただきたい。
爆発が起きたのは、テキサス州現地時間の午後1時49分。エンジンが首尾良く点火してから、およそ2分後のことだ。我々は、今回の事故の原因と怪我人の有無についてSpaceXに詳細を求めている。こうした試験を行う際には、当然のことながらSpaceXは、実験区域にスタッフやその他の人間がいないことを確認するなど、十分な安全対策を講じている。
SpaceXの試作ロケットが大惨事に見舞われたのは、これが最初ではない。これまでも試験機の性能を試す圧力テストで、2度ほど痛い目に遭っている。SpaceXが開発を進める中で、何度も機体のストレステストを行っているのはそのためだ。最終的に実際の運用に使用される宇宙船は、ずば抜けて高い安全性と信頼性で期待に応えられなければならないからだ。
SpaceXはすでに、ボカチカ近くで作られているSN5も含め、新たな試作機の建造に入っている。そのため試験場がきれいに片付けば、すぐにでも最新の機体を運び込んでテストを再開できるだろう。これはSpaceXのCommercial Crew(商用乗員輸送開発)プログラムとはまったく別の事業なので、天候にもよるが5月30日か31日にに打ち上げが予定されている歴史的な初の有人飛行テストには何ら影響しない。
画像クレジット:NASASpaceflight.com
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(翻訳:金井哲夫)