コード決済サービスを提供するPayPayは6月1日、ビデオ通話を利用したオンライン診療や服薬指導に対する支払いをPayPayで決済できるようになったことを明らかにした。
オンライン診療はこれまで一部の診療科目の再診でしか認められていなかったが、新型コロナウイルスの蔓延に伴う感染防止の観点から、厚生労働省が特例的に初診でのオンライン診断を認めている。現在は特例とはいえ、将来的には一般化する確率が高いだろう。
年商10億円未満の医療機関や調剤薬局は、オンライン決済システムの導入の開発費や初期費用がかからず、決済システム利用料も2021年9月まで無料で利用できる(2020年4月1日以降新たに加盟店になる年商10億円以上の法人の場合は有料)。患者側が注意したいのは、決済できるのはPayPay残高のみで、PayPay経由のクレジットカード払いには対応していない点。
同社では現在、既存加盟店向けにオンライン診療用QRコード決済の利用申し込みページを設けているほか、PayPayを導入していない医療機関や調剤薬局に向けて新規加盟店申し込みページも用意している。
なお、PayPayでは一部の医療機関で対面診察の支払いに対応しているが、現金決済以外の手段を用意していない医療機関はまだまだ多く、キャッシュレス化はあまり進んでいない。個人経営の医院やクリニックなどはクレジットカードの高い手数料を嫌って現金オンリーにしているところも多く、高齢者や子供連れの母親が診療費を現金で持ち歩く必要があるのは防犯上も好ましくない。入院費などは数万円から数十万円と高額になることも多いのだ。
PayPayには今回のオンラインの診療や服薬指導のオンライン決済はもちろん、手数料無料期間の延長などの施策を駆使して中小医療機関へのPayPayの導入と積極的に進め、キャッシュレス化を劇的に進めてほしいところだ。