緊急事態宣言の解除により、オフィスビルへの来訪者増加が予測されるなか、オフィスビル側としては来訪者に対する体温チェックなどの感染予防措置を継続する必要があるだろう。
そこでセコム株式会社は、2021年の実用化を目指し開発を進めている「バーチャル警備システム」の実証実験を開始。2020年6月1日~5日の期間セコム本社1Fエントランスにおいて、バーチャル警備員による来訪者に対する体温チェックとマスク着用のお願いを実施していく。
実証実験概要
同実験では、バーチャル警備員がマスク未着用者へのマスクの着用のお願いと体温チェックを行う。ディスプレイ横に設置された熱画像カメラにより測定された体温を専用モニターに表示し、37.5℃以上を発熱者としてバーチャル警備員が対応する。この時点でマスク未着用者にマスク着用を促す。
カメラ測定で発熱状態だと判定された来訪者に対しては、再測定エリアに設置された非接触体温計による再検温を促し、その結果発熱状態にある来訪者には来訪先に連絡したうえで引き取りをお願いするようだ。
これにより、発熱者の入館を避け感染拡大を防止することと、来訪者・警備員双方の感染リスクの低減が期待できるとのこと。
また、同実験ではバーチャル警備員の通信に5Gを活用し、有線ネットワークの敷設にコストがかかる場所でも同システムを活用できることをあわせて実証するようだ。
「SECOM DESIGN FACTORY」
2019年4月に同社とAGC株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社NTTドコモが協働し試作機が開発された。このたびの実験は、ディー・エヌ・エーがデザインしたバーチャル警備員をAGCのディスプレイ一体型ミラーに投影し、その通信にNTTドコモの5Gを活用して実施されている。
このように同社はこれまで培ってきたセキュリティのノウハウとあらゆる領域の最新技術をかけ合わせ、革新的・独創的なサービスを生み出している。
ほかにも「SECOM DESIGN FACTORY」では、ソニーの「aibo」と連携し「あんしん感」をプラスした「セコム・ホームセキュリティ」や、VR・ARに強みを持つカディンチェ株式会社と共同開発した警備業界初のVR研修プログラム、IoTベンチャーの株式会社チカクと協働し開発した高齢者向けの見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」など幅広いプロジェクトを展開中だ。
- Original:https://techable.jp/archives/126500
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口