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韓国の中古品マケプレ&コミュニティ運営の「Danggeun Market」が約35.7億円を調達

米国時間6月1日、韓国最大のご近所マーケットプレイス&コミュニティアプリ「Karrot」を運営しているスタートアップのDanggeun Marketが、シリーズCで3300万ドル(約35億7000万円)を調達したことを発表した。このラウンドは、Goodwater CapitalとAltos Venturesが主導した。

今回のラウンドで、Danggeun Marketのこれまでの調達額の合計は4050万ドル(約43億9000万円)になった。前述以外の投資家では、Kakao Ventures、Strong Ventures、SoftBank Ventures Asia、Capstone Partnersが投資している。Danggeun Marketは2019年11月には英国でKarrotを提供開始した。同社は調達した資金でさらに海外市場を拡大し、収益化のツールを増やしたい方針だ。

Karrotのユニークな特徴は、半径6キロメートル以内の売り手だけが表示されるピアツーピアのマーケットプレイスであり(大都市でない地域では、この範囲はもう少し広く設定されている)、ほとんどの取引は対面で完結しているということだ。安全のために、ユーザー全員の身元を携帯電話番号と位置情報で確認している。

TechCrunchとの電話インタビューで、Danggeun Marketの共同創業者で共同経営者のGary Kim(ゲイリー・キム)氏と、バイスプレジデントのChris Heo(クリス・ヘオ)氏は、韓国は人口密度の高い都市が多いのでKarrotのモデルが機能すると述べた。海外でこのアプリをリリースする際には、人口密度の高い地域、特に有力なご近所マーケットアプリがまだない地域に注目していく予定だ。

Danggeun Marketは2020年に新たに3カ国に進出する計画だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でペースを落としている。代わりに韓国でのコミュニティ機能の強化に取り組む方針で、2020年末までに少なくとも新たに1カ国に進出することを目指している。

2015年にDanggeun Marketを創業したのはゲイリー・キム氏とPaul Kim(ポール・キム)氏で、両氏とも韓国最大のメッセージングアプリ、カカオトークで仕事をしていた。Danggeun Marketがスタートする前に韓国で最も人気があったオンラインの中古品マーケットプレイスはJoonggonaraだったが、このサービスはウェブサイトだけでモバイルアプリがなかった。

Karrotはスマートフォン向けの設計にしたことが、ほかのピアツーピアのマーケットプレイスとの差別化につながった。例えば、距離を制限することで相手を見つけやすくなり、ご近所とのやりとりも促進される。近隣のネットワークをつくるというアプローチは、Danggeun Marketの収益化モデルの基盤ともなっている。掲載料を課さずアプリは無料で利用できるが、一方で同社は極端に地域を絞った広告で収益をあげている。

Danggeun Marketによれば、月間アクティブユーザー数は対前年比130%増で、2020年4月には700万人に到達した。Karrotは、韓国最大のeコマースプラットフォーム「Coupang」に次ぐ、第2位のショッピングアプリになったという。ユーザーは1日に平均で20分間このアプリを利用し、新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず流通取引総額は対前年比250%増だ。

ヘオ氏によれば、多くの人が家で過ごすようになり不用品が出たこと、また遠出をしたくないことから、アプリ上の掲載数は1月の440万件から4月には840万件に増えたという。Danggeun Marketのコミュニティ機能でも、投稿が急増した。

感染が広がっていても、韓国では多くの人がマスクなどの安全策をとってきたため対面での取引が続いているとヘオ氏は語る。Danggeun Marketでは「Karrot Help」という新機能を追加した。これには、お使いの代行を必要としている近所の人とのマッチングや、近隣の薬局のマスク在庫をチェックするツール、そして掲載されたマスクの価格を自動で管理して不当な利益を防止するツールも実装されている。

画像:Danggeun Market

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(翻訳:Kaori Koyama)

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