今のような不安な時期には、Signalのようなアプリが特に貴重だ。人に知られたくない情報を安全かつ簡単に共有できる方法なら、何でも歓迎したい。そのためにSignalは、このアプリで送る写真の中の顔をぼかす機能を加えて、ほかのあまり安全でないアプリに痕跡を残さずに、特定の人のアイデンティティ(本人情報)を容易に保護できるようにした。
創業者のMoxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏はブログで、今世界中に広がっている警官の暴力に対する抗議活動への支持を表明したあと「路上にいるみんなを支援するためのさまざまな方法を考えている。とりあえず今年は、顔を隠す方法が必要だ」と語る。
写真の中に顔を見つけて画像をぼかすツールはほかにもあるが、Signalの来歴から考えると不可逆性、元に戻せない機能を実装したいだろう。現在同社に、技術の詳細を問い合わせているところだ。とにかく、 既存の技術を使って写真の中のすべての顔を1回のタップでぼかす機能は作れるはずだ。
この機能は、Signalを使って秘密の情報を送っているすべてのユーザーに役に立つ。例えば、写真なら、その人が誰か知られたくない。写真編集アプリを使って顔をぼかすことはできるが、この簡単な方法は必ずしも安全でない。写真編集という計算集約的なプロセスをクラウドから提供しているアプリなら、元の写真をホスト側に保存するかもしれない。そうなると、その写真が今後どんな目に遭うかわからない。
人に知られたくない情報はすべて、自分のスマートフォンか、または信頼するアプリに保存したい。そしてSignalは以前から、通信の秘密を冒されたくない人々に愛用されている。
同氏によると、Signalの場合、顔の検出とぼかしはすべてユーザーのスマートフォン上で行われる。ただし顔の検出は100%正確ではないので、ツールが見つけてくれなかった顔はユーザーが手作業でぼかし処理する。
この新しい機能は、GoogleとAppleの承認が得られ次第、Signalアプリの最新バージョンに登場する。
最後に同氏は「さまざまなもので顔を隠せる機能を無料でコミュニティに提供したい」と語る。例えば、上の写真では冬に顔を覆う防寒具のようなもので、顔を隠している。今後が楽しみなアプリだ。
画像クレジット: Signal
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)