Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏がメモの中で、3年近く前に発表した電動大型トラック(クラス8)のTesla Semiについて「『全力を尽くし』て大量生産を開始するときだ」と述べた。
従業員向けのメモについてはCNBCが最初に報じた。TechCrunchもこの短いメモを確認したが、大量生産がいつ始まるかなどの詳細は書かれていなかった。マスク氏はメモが事実であることをTwitter(ツイッター)で認めた。
漠然とした内容のメモと、メモを認める「イエス」という言葉はウォール街にとっては十分なものだった。テスラの株価は米国時間6月10日朝に6%超上昇し、1000ドル(約10万6960円)を超えた。米国東部時間午前10時50分時点で1009.84ドル(約10万8000円)だった。同社の時価総額は今や1870億ドル(約20兆円)超となった。
「Tesla Semiは限定的に生産されてきた。これにより、デザイン面で多くの点を改善できた」とマスク氏はメモで述べた。バッテリーとパワートレインはネバダ州スパークスにある同社のギガファクトリーで生産される。マスク氏はトラックそのものがどこで生産されるのか言及しなかったが、他の作業はおそらくネバダ州以外で行われる、とメモに記した。
メモ全文は以下のとおりだ。
Tesla Semiを大量生産すべく、全力投球するときだ。これまで限定生産されてきたが、これによりデザイン面で多くの点を改善できた。バッテリーとパワートレインの生産はネバダ州のギガで行われ、その他のほとんどはおそらく他州でとなる。ジェロームと私はこの素晴らしいプロダクトをマーケットに投入するためにあなたたちと共に働くことを楽しみにしている!
最終組立てがどこで行われるかTwitterで聞かれたマスク氏は「いずれわかる」と答えた。
Tesla Semiは2017年11月にデビューしたとき、大評判となった。発表の際、マスク氏はSemiがModel X、Model S、Model 3のような走りになると約束した。またこのトラックには驚くべきスペックが備わっていた。そのうちの1つが、フル積載状態で時速65マイル(105km)で走行したときの航続距離が500マイル(約805km)というものだ。
SemiはすぐさまModel 3の影に隠れた。Model 3は数カ月も生産が追いつかなかった。そしてModel Yがデビューし、生産が始まった。そのうちSemiはTeslaの決算報告から姿を消した。
今年初めの第4四半期決算で、同社はそれまでの数カ月で初めてSemiについてアップデートし、「今年台数限定で生産する計画だ」と述べた。
その後同社は直近の四半期決算発表の中で、Semiの生産・販売時期を2021年に後ろ倒しにすると明らかにした。当初の目標から2年遅れとなる。
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(翻訳:Mizoguchi)