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藤村岳が教えるメンズビューティの1/365days男美的整のコトハジメ種類や特性を知って効率的に対策をしよう!今夏、クサイ“汗”を制する

これから気温が上がり、汗をかく季節。悪臭の主な原因となる汗と皮脂。これらを効率的に制することがニオイ対策になる。皮脂と乾燥、そこから起きる過剰分泌からの悪臭についてはこのコーナーで何度も語ってきたので、今回は汗のみに注目して、それにまつわるデオドラントについて解説しよう。

クサイ汗とクサくない汗の2種類がある

さて、そんなニオイの元となる汗も大まかに分けて2種類あり、まず1つ目は体温調整をする役目のエクリン腺由来の汗。この汗腺は全身に200〜500万個あると言われており、ここから出た汗は比較的サラリとしていて発生した瞬間は無色無臭。一方で、脇や乳輪、外陰部から出てくるニオイの強いアポクリン腺由来の汗もある。こちらにはタンパク質やアンモニア、脂質などが含まれていて、最初からニオイがあり、色も乳白色。白いシャツの脇が黄色くなってしまった経験がある人もいるだろうが、それはこういう理由から。こちらの汗は、体質や遺伝によって人それぞれ症状が異なる。

エクリン腺由来の汗は体温調節に必要なので、むやみに止めることはお勧めしない。この汗をかくのはよいことで、気化熱で熱が体内にこもるのを防ぐために必要なのだ。そこで、この汗がニオわないようにする防止策としてはこまめに拭くことが大切だ。顔やボディ用のシートなどを上手に活用して、悪臭を放つ前に取り除いてしまおう。同様にアポクリン腺由来の汗も拭いて取り除くことも重要だが、出ないようにするのが最適の手段だろう。たとえば、多汗に悩む人はボトックス注射をして汗を出さないようにするのもいい。効果は約3〜6ヶ月程度持続する。また、腋臭症などニオイがかなり強い場合は、アポクリン汗腺自体を手術で取り除くことも有効だ。場合によっては保険適用となることもある。悪臭は人間関係を危うくさせることもあるので、悩んでいるのであれば皮膚科のドクターに相談するのがいい。

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パパ必見!子どもと大人の汗の違いは?

汗をかく能動汗腺の数は2〜3歳までに決定すると言われており、育つ環境によって変わるそう。これにより寒い地方で育った人が、大人になってから南国へ引っ越すとうまく汗がかけないなんてこともあるのだとか。また、汗腺の数ではなく、汗をかく能力は思春期以降に発達するという説もあり、子どもはその能力が発達していないためうまく調整ができないともいう。それでは35歳を過ぎたパパたちはなすすべがないのか、というとさにあらず。大人になってからも“いい汗”をかくトレーニングをする必要はある。といっても筋肉に負荷のかかりすぎるハードなトレーニングは肝臓の負担となり、アンモニアなどをうまく分解できずにそれが血液に乗ってニオイの元になる。これが最近話題の“疲労臭”と呼ばれるもの。アルコールの大量摂取やタバコ、不規則な生活習慣、栄養不足、ストレス過多などで代謝が悪くなり、発生する。これもまた汗、皮脂に次ぐ第三の体臭の原因と認識されてきたのだ。疲労臭を回避するには、生活を立て直すことが必要だ。運動は軽い有酸素運動がベターで、夏でも浴槽に浸かって汗を出す訓練をすることが体臭ケアにも繋がるのだ。

クナイプ リフレッシュスプレー 150ml 800円 首や肩などにシュッとひと吹きするとメントールの清涼感とアルニカ花エキスの心地よい香りで、体も心もクールダウンしつつリフレッシュできる。PC作業で疲れた時やスポーツ後の火照った体に使っても。数量限定発売。
ライオン Ban
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40ml 880円(編集部調べ)
足汗の出口にフタをする“ナノイオンブロック”効果を搭載した足専用のジェル。汗をしっかり抑え、ムレで生じるニオイを徹底防御。人前で靴を脱ぐシーンがあってこれさえあれば安心。速乾性もあるので、塗ってすぐ靴下がはける。医薬部外品
ルシード 頭皮クリアペーパー
24枚入 605円
ミドルエイジの男性のケアに特化したブランドから頭皮を拭き取れる新感覚のペーパーが登場した。緑茶エキスなど植物由来の保湿成分を配合しつつ、ニオイの原因となる汗や皮脂を除去。大判で体にもOKなので出先でのケアにも役立つ
THREE ピュリファイング
インティメイトミスト 30ml 4180円
ティッシュに2~3プッシュして、ニオイがこもるデリケートゾーンをやさしく拭き取ることができる。精油やボタニカルウォーターなどを使用し、天然由来成分99%。アルコールのチクチクした刺激を感じずに爽やかにケアが可能。

繊細な人は自己臭恐怖症に要注意

先ほどアポクリン腺由来の汗は体質によって異なると言ったが、目安としては耳垢が湿っている、白いシャツの脇が黄色くなる、家族に腋臭の人がいるなどが当てはまればよいだろう。ただし、気をつけたいのは“自己臭恐怖症”と呼ばれる精神的な病気もあること。実際には臭っていないのに、自分はクサイと思い込んでしまっている状態だ。第二次性徴を迎える思春期の子どもたちや繊細な人に多く見られる。とある皮膚科のドクターにうかがった症例で、男子高校生がまったくニオイがないにも関わらず、自分はクサイと思い込み学校に通えなくなってしまったそう。ニオわないので手術は不要と告げても本人は決して納得しない。父親もそこまで悩んでいるのであれば不必要だとわかってはいるが、手術を認めたとのこと。ちなみに件の男子高校生はその後、明るくなり学業にも精が出たとのこと。この時は結果オーライだったが、実際は悩みを吐き出せない人も多い。それほど、体臭はセンシティブな問題なのだ。

市販のデオドラントアイテムも種類が増え、昨今では選ぶのが難しいほど。よく間違えられるのが“制汗剤”と“消臭剤”で、この2つは似て非なるもの。制汗剤は汗そのものが出てくるのを汗腺を塞ぐなどして物理的に抑えるものであり、消臭剤は汗や皮脂が皮膚表面上で分解する菌を弱らせて(もしくは殺菌して)ニオイが発生することを抑えるもの、と理解するのがよいだろう。もちろん、その両方を兼ね備えているハイブリッドなアイテムもあるのでそれらの特性を見極めて選ぶのがよい。密着させたい脇はロールオン、背中など表面積の大きい部分にはスプレーなどパーツ別に使い分けるのが効率的だ。悪臭を振りまくことはもはやスメルハラスメントとなり得るので、汗対策を万全にして夏を乗り切ろう!


text : 藤村岳
シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論でメディアへの出演や美容コンサルティングで活躍。著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)などがある。

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