Appleのサプライチェーンは、新型コロナウイルス感染拡大前の生産能力を取り戻したようだ、との分析が公開されました。iPhoneやAirPodsシリーズを注文してから配送までの期間が短縮されています。
2月と6月で注文から配送までの期間を比較
Appleオンラインストアでの注文から配送までの期間をウオッチしている投資会社Loup Venturesのジーン・ミュンスター氏が、Appleのサプライチェーンは新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻った、とのレポートを公開しました。
2月中旬と現在で、13カ国におけるiPhoneシリーズとAirPodsシリーズの配送までの期間を比較すると、以下のように変化しています。
なお、以下の日数は、iPhoneはiPhone11(64GB)とiPhone11 Pro(64GB)、AirPods(第2世代)とAirPods Proの各モデルをAppleオンラインストアで注文してから配送までの平均期間です。
- iPhone(売上高の最大52%):最長だった3月13日に平均13.6日、3月14日には9.7日 → 6月8日の時点で、平均1.6日と大幅に短縮
- AirPodsシリーズ(売上高の最大4%):2月14日に平均15.4日 → 6月8日には平均1.7日に短縮
ミュンスター氏が推移を追ったiPhone11、iPhone11 Pro、AirPods(第2世代)、AirPods Proの、注文から配送までの期間をまとめたのが以下のグラフです。
1カ月以上待ちだったAirPods Proがすぐ買えるようになった理由
AirPods Proについては、2月14日の時点で13カ国平均で28日待ちでしたが、約4カ月後の6月8日には平均1.7日へと改善しています。
ミュンスター氏は、AirPods Proの配送までの期間が短縮した要因として、重要な順に以下4つを挙げています。
- AirPods Proが発売された2019年10月末の時点で、初代AirPodsと同様、本格的な大量生産ができていなかった
- AirPods Proの需要が高かったホリデーシーズンを過ぎ、2020年前半に需要が落ち着いたことで配送までの期間が短縮された
- 中国での生産が再開され、最近2カ月間で生産能力が強化された
- 世界的な景気減速で需要が減少した
配送までの期間と業績の関係
ミュンスター氏は、Apple製品の配送までの期間とAppleの業績の関係に注目して分析しています。
AirPods Proが発売され、4週間以上の待ち時間が発生していた2019年10月〜12月期の業績発表で、Appleはウェアラブル部門の売上高記録更新を発表しました。特に、AirPodsカテゴリーは前年同期比75%もの伸びを記録しました。
Appleが2020年1月〜3月期の業績が予測を下回ると発表した2020年2月17日頃、中国で生産拠点の多くが操業を停止していました。この頃、製品の配送までの期間は延びています。
Source:Loup Ventures
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-295807/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania