パナソニックが4月中旬に発売した「RZ-S50W」は“Music” “Communication” “Noise cancelling”をキーワードに、高音質だけでなく、通話、ノイズキャンセルまで揃う多機能モデル。上位モデルにテクニクス「EAH-AZ70W」があり、この「RZ-S50W」は実勢価格2万4200円前後。ノイズキャンセル搭載の完全ワイヤレスイヤホンとしてはミドルクラスのモデルになります。
新型コロナウィルスの影響で発売後に流通も一時ストップしていたようですが、製品が出回り始めたようなので、ここで実機レビューをしてみます。
■パナソニックの独自機能満載
パナソニック初の完全ワイヤレスイヤホン「RZ-S50W」。パナソニックとしては初モノなのですが、ノイズキャンセル&外音取り込みを搭載し、左右同時伝送などの独自技術も満載のモデルです。内部のドライバーユニットはバイオセルロース素材を使用した直径8mmのダイナミック型ドライバーで、ドライバー周辺の空気の流れを最適化する音響構造にも特徴があります。
外見はマットな黒。片側の実測値が約6.5gでやや背が高く、装着時の耳元は少し目立ちます。IPX4で防滴にも対応。イヤーピースはS/M/L/XLが付属しています。
スマホとペアリング操作をしてみると、最初の接続から日本語ガイドという安心感。ここは流石は日本のパナソニックです。イヤホン本体は左右ともタッチボタンになっていて、再生/停止は左右どちらでも、音量操作は左側、曲送りや戻しの操作は右側、右側長押しでノイズキャンセルなど外音コントロールに対応。6月17日にアプリを通じてイヤホンの新ファームウェアが提供され、長押し時間が短くなって、サクサク切り替わるようになりました。
充電ケースもイヤホン本体と同じマットな黒で、携帯性も上々。連続再生時間はノイズキャンセルOnで約6.5時間、ケース込みで合計19.5時間です。
また通話用のマイクにも力が入っています。“高性能MEMSマイク”を採用していて、声をノイズと区別してクリアにする“ビームフォーミング技術”を搭載。屋外でも風切音を低減する“ラビリンス構造”と、完全ワイヤレスで珍しいほど通話性重視です。
実際に「RZ-S50W」をWindows PCとペアリングしてみると、声の質感まで伝わる情報量の豊富さ、周囲の騒音も拾わないノイズカット具合も優秀で、テレワーク用にもアリ。コロナ禍前に企画・発売された製品ですが、この力の入れ方はお見事。
音楽リスニングの際にはデジタル方式とアナログ方式を組み合わせた独自の“デュアルハイブリッドノイズキャンセリング”が有効です。装着した瞬間からスーと静寂が訪れ、雨音や街なかの雑踏も気にならないレベルにまで低減。電車でも重低音の騒音は消えてくれるなど、完全ワイヤレレスイヤホンのノイキャンとしては優秀です。
■立体的な音空間と肉厚な重低音
iPhoneと組み合わせて「RZ-S50W」の音質を検証していきます。
宇多田ヒカル『あなた』から聞くと…、しっとりとした音空間に鮮やかに歌声を聴かせてくれる、リッチな質感のある高音質。中域の音の押し出しも強いのですが、同時にコーラスなオーケストラの音空間も立体的。肉厚な重低音も気持ちいいですね。BrunoMars『24K Magic』も押し出しの効いた強烈な低音。それでいて情報量もあるサウンドです。
さらにスマホアプリから“バスエンハンサー” “クリアボイス”、そして自分でカスタムできるイコライザーの調整が可能。イコライジングの効果はマイルドで、微妙なニュアンスまで自分で追い込めるマニアックさも。
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発表直後からテクニクス「EAH-AZ70W」の影に隠れてしまった「RZ-S50W」ですが、ノイズキャンセル搭載で中身も他社のハイエンドに匹敵するモデルです。高音質で、ノイキャンも優秀で、通話まで作りこまれていて、実勢価格2万4200円はハイコスパなのでは。オールラウンドな良いモデルを探しているなら指名買いする価値アリです!
>> [連載]イヤホンレビュー
取材・文/折原一也
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/304765/
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