AIを搭載して自律走行するスーツケースを開発したTravelmateが、その技術を転用し、新型コロナで多忙を極める医療機関に対し、医療機器を運搬する看護師を支援するアシスタント・ロボットを開発した。
クラウドファンディングを展開し、消費者向け運搬ロボットの開発をリードする見込みだ。
屋内外で利用できる自律走行ロボット
Travelmateは自律走行するスーツケースで話題を集めた。日本でも2018年2月に発売され、持ち主を追いかけて自走する様子は驚きを持って迎えられたものだ。
センサーを使った障害物回避、Bluetooth接続を介した施錠・解錠、GPSによる位置把握といった多彩な機能がスーツケースには搭載されている。
同社はスーツケースに使った技術を応用し、看護師を支援する自律走行ロボットTravelmate RNAを発表した。集中治療室を含む病院内の利用と、屋外での利用の双方が想定され、医療機器の運搬を容易にする。
新型コロナでひっ迫する医療機関で看護師の負荷を軽減することが期待された。
消費者向けロボット市場の獲得を目指す
Travelmateのスーツケースは、その容量に応じて1099~1495ドルと比較的高額な価格帯を設定している。それでも、興味深い機能に対するニーズは高く、世界100か国以上の販売代理店と提携しており、4000個以上の注文が入っているという。
2020年6月現在、クラウドファンディングのキャンペーンを実施し、さらなる業容拡大を目指している。
スーツケースから医療向けへの活用によって、Travelmateの自律走行ロボットは、カスタマイズが容易であり、様々な用途で運搬支援ができる技術が証明されたと言える。
今後の開発としてはショッピングセンターで自律走行する買い物カゴなどが考えられるだろう。10億ドル以上とも予測される消費者向けロボット市場での活躍が期待される。
- Original:https://techable.jp/archives/128883
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之