iOSの新バージョンには、セキュリティとプライバシーの新機能も多く含まれる。米国時間6月22日、Apple(アップル)はiOS 14に組み込まれる新機能を多数発表した。iOS 14は2020年後半、新しいiPhoneとiPadがリリースされる際に登場する見込みだ。
アップルは、ユーザーがアプリに対して正確な位置情報を共有するのではなく、「大まかな位置情報を共有」できるようにすると述べた。これによりアプリは正確な現在地を特定するのではなく、大まかな現在地を取得できるようになる。これは、ユーザーがどのタイミングで位置情報を提供するかということに続く新しいオプションだ。2019年にアップルは、ユーザーが位置情報の利用を一度だけ許可するオプションを追加し、このオプションを選択するとアプリがその人の動きをずっと追跡することはできなくなった。
iOS 14が動作するiPhoneでは、ステータスバーに「カメラとマイクの記録インジケーター」も表示されるようになる。これはMacでカメラの動作中にライトがつくのと似た機能だ。この記録インジケーターは、前面または背面のカメラを利用している場合、あるいはマイクが有効になっている場合にiPhoneの画面上部に表示される。
Androidユーザーはすでに何年も前から、アプリが求める権限をGoogle Playストアで確認できる。
広告主、そしてデータをかき集めるFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などのテック大手は、ターゲット広告で巨額の利益を得ている。その両者を巻き込む論争の中で、広告業界はこれまで頻繁にアップルの批判の的となってきた。2015年にアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、シリコンバレーのライバルたちは「あなたについて知り得るすべてを食い尽くして収益化しようとしている」と述べた(未訳記事)。ハードウェアを販売して収益を得ているアップルは「そのようにはしないことを選択する」とクック氏は語っている(The Guardian記事)。
ターゲット広告がさらに広まる中で、アップルは自社のソフトウェアにプライバシー関連の新しい機能を追加することで対抗した。例えばインテリジェントなトラッキング防止技術や、広告とトラッカーを読み込まないようにするコンテンツブロッカーをユーザーがSafariにインストールできるようにする機能などだ。
2019年にアップルは、開発者に対してサードパーティ製トラッカーを使用する子供向けアプリはApp Storeで却下されると伝えた。
関連記事:オンライン広告をもっとプライベートするアップルの提案
関連記事:WWDC20関連記事まとめ
画像クレジット:Apple(ライブストリーミング)
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)