日本時間23日未明から開催されたWWDC20において、iOS14とiPadOS14で「推定位置情報(Approximate Location)」の選択肢が今後利用可能になるとの発表がありました。ユーザーの位置情報を得る際、10平方マイル(約25.9平方キロメートル)までのおおまかな位置情報の取得に限定することで、プライバシーを守りつつ位置情報サービスの利用を行うことができます。
フェデリギ氏が紹介したAppleのプライバシー4つの柱
WWDC20のプレゼンで登場した、Appleのソフトウェアエンジニリング担当上級副社長クレイグ・フェデリギ氏は、新世代のmacOS、iOS、iPadOSで導入されるプライバシーの4つの柱を掲げました。
1つ目は、データ最小化の試みで、ユーザーから取得するデータ量をなるべく小さく抑えるとしています。2つ目は、オンデバイス処理で、データをオンライン上にアップロードすることなく可能な限りオンデバイスで処理を行うとのことです。
3つ目は、セキュリティで、デバイス上のデータがいかなる攻撃から守られることを意味します。4つ目は、透明性とコントロールで、これが今回WWDC20のプライバシー関連発表の焦点となりました。
推定位置情報とは?
iOS14、iPadOS14で導入される「推定位置情報(Approximate Location)」とはどのようなものなのでしょうか?
これまでAppleのオペレーティングシステムでは、位置情報へのアクセスに関して、アプリによる位置データの取得を許可するか否かの大きく分けて2つの選択肢しかありませんでしたが、Appleの提唱する「推定位置情報」は、2つの間をとったプライバシー重視の位置情報取得であると言えます。
通常の位置情報取得では、ユーザー位置があまりに詳しくわかってしまうため、いつも通っているバーや、買い物している店舗、通院先の病院などのデータから、個々のユーザーの人物像が過度に浮かび上がってしまう問題がありました。
Appleの推定位置情報では、10平方マイルまでの現在位置特定が行われますが、地球全体を10平方マイルごとに隔てた地域を元に位置データが取得されるため、その範囲内のどこにユーザーいるかはわからない仕組みになっています。
この推定位置情報があれば、多くの天気アプリや地域ニュースアプリなどは問題なく動作するとのことで、ユーザープライバシーの新たな選択肢となることが期待されています。
Source:Fast Company via AppleInsider
(lexi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania