米国家幹線道路交通安全局(NHTSA)が、テスラの古いModel Sにおけるタッチスクリーンの故障の申し立てについて、予備調査を開始した。
同連邦機関が調査を開始したのは、2013年から2015年までのModel S車両に搭載された、タッチスクリーンの故障に対する苦情を、テスラの所有者から13カ月の間に11件受け取ったことによる。この問題は、問題のあるフラッシュメモリデバイスが原因となって発生し、タッチスクリーンが黒くなってしまうというもので、バックギアを選択すると背面カメラの画像が表示されなくなる現象も含まれている。
NHTSAの予備評価の焦点は、8GB eMMC NANDフラッシュメモリデバイスを内蔵したNVIDIA(エヌビディア)のTegra 3プロセッサだ。フラッシュデバイスには、書き込みと消去のサイクル数に基づく有限の寿命がある。中央ディスプレイ、すなわちメディアコントロールユニットに、時期尚早に障害が起きるのは、eMMC NANDフラッシュ内のメモリが故障するためだと言われている。
NHTSAは当初、このフラッシュメモリデバイスを使用する6万3000台のModel S車両が影響を受ける可能性があると推定した。だが同機関は、その数は最大15万9000台におよぶ可能性があるとも指摘している。Tegra 3プロセッサーは、2012年から2018年にかけてModel Sのセダン、および2016年から2018年にかけてModel XのSUVで使用された。
インフォテインメント、ナビゲーション、ウェブブラウジングなどを提供するテスラのタッチスクリーンは、そのデザインが高く評価されている一方で、特にフラッシュメモリデバイスを中心とした故障しやすさが批判されている。
NHTSAによると、このeMMCメモリは、パフォーマンスが次第に低下する期間が過ぎると故障する。最終的な障害は、音声ならびに視覚的機能の喪失を引き起こす。その中にはバックギアを選択した際にリアカメラの画像表示が失われる現象も含まれている。
MCU障害のその他の影響としては、エアコンの温度制御がデフォルトで自動モードになってしまったり、バッテリー充電電流や再充電時の最大状態に制限がかかったりする。なおこの故障は、ブレーキ、速度制御、ハンドルなどの車両制御システムには影響しない。
画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images
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(翻訳:sako)