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現場作業員の業務をiPadで効率化する「カミナシ」が正式ローンチ、入力内容を自動でExcel転記

カミナシは6月29日、現場作業員の業務を効率化する「カミナシ」アプリを正式公開した。同社は2016年12月設立のスタートアップで、カミナシは旧社名のユリシーズ時代に「KAMINASHI」として、食品工場の現場で行われている帳票の記録をデジタル化を目指して開発が進められてきたシステムだ。

モバイルアプリを使って現場の業務効率化を実現するサービスで、ルーティーンワークなどの作業を自動化できるのが特徴。具体的には、現場での正しい作業手順を現場監督に代わってアプリで解説できるほか、手書き情報のデータ化、目視チェックや承認、Excelへの転記・集計、メールでの報告・検索などを自動化する。

カミナシに逐次入力されたデータを基に日報や報告書を作成する機能や、現場の作業内容に応じてチェックリストやマニュアルの一部を切り替えられるシナリオ機能もある。現場で一般的に実施されている作業記録などに対する承認に対応した機能も搭載。現在はiPadのみの対応だが、年内にiPhone、Android端末にも順次対応予定とのこと。

カミナシでは、多くの企業がExcelでデータを管理していることを考慮しつつ、入力されたデータは最終的にはExcelに自動転記されるようになっている。一方で、iPadなどでExcelなどの表計算ソフトのスプレッドシートにデータを入力するのは面倒であることから、現場作業員向けには直感的なUI/UXを採用。前述のように食品工場向けのシステムがベースとなっており、現場作業員は高齢者が多かったことから誰にでもわかりやすいインターフェース設計にこだわったという。

また、現在はExcelなどのレガシーな管理方法との連携を重点的に進めているが、中長期的には基幹システムやエンタープライズ企業を中心とした社内システムとの連携を強化していくとのこと。

同社がカミナシの利用によって業務効率化が図れると想定している業界は以下のとおり。サービス利用料金は、1ユーザーあたり月額5000円からで、初期費用は1万円から(月額2カ月ぶん)、最小契約は10ユーザーからとなっている。

現在、全日空やロイヤルホールディングス、星野リゾート、ほっともっとややよい軒などを運営するプレナスのオーストラリア法人であるPLENUS AusT、長野を拠点とするワインと食品のメーカーでレストラン事業も手掛けるサンクゼールなどが一部の業務で導入している。

今後の展開としては、「作業実行」「従業員教育」「カイゼン活動」の3つにフォーカスして開発を進めるとのこと。

カミナシで代表取締役を務める諸岡裕人氏

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