2020年秋の「iPhone12」シリーズの量産開始が1カ月〜2カ月程度遅れている、とNikkei Asian Reviewが報じています。Appleは遅れを取り戻すために全力を尽くしている模様です。
開発プロセスに1カ月の遅れ
iPhone12シリーズは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による工場閉鎖やApple従業員の自宅勤務の影響により量産開始が遅れている、と事情に詳しい複数の関係者からの情報をもとにNikkei Asian Reviewが報じています。
例年なら9月に発売される新型iPhoneは、8月末から9月初めに大量生産を行うために、5月末には技術検証試験(Engineering Validation Test:EVT)と呼ばれる検証プロセスを終えていなくてはなりません。しかし、次期iPhoneのEVTは、6月末時点で「ほぼ完了」という状態で、約1カ月の遅れが出ています。
EVTをクリアしても、量産の前には設計検証試験(Design Validation Test:DVT)と、生産検証試験(Product Validation Test:PVT)をクリアする必要がありますが、iPhone12シリーズのDVTやPVTは完了していません。
Appleは後れの挽回に必死、しかし先行きは不透明
Appleは遅れを取り戻すために努力を続けており、6月にハードウェア開発担当者が本社への出勤を再開してからは、新製品関連プロジェクトの締め切りが繰り上げられた、とNikkei Asian Reviewの情報源となった人物が述べています。
ただし、別の情報源となった人物は、新型iPhoneの最終組み立ては10月上旬にずれ込むと考えられるほか、現在も試験が続けられておりデザインが最終確定していないため、さらに遅れが生じても不思議ではない、と語っており、先行き不透明な状態が続いているようです。
iPhone12の遅れに備え、低価格モデルを増産か
Appleは2020年当初、iPhone12シリーズの2020年内の目標製造台数を約1億台と見積もっていました。
しかし、COVID-19の感染拡大を受けて、目標を前年と同程度の8,000万台に引き下げており、需要に応じてさらに目標を変更する可能性もある、とNikkei Asian Reviewの情報提供者は語っています。
Appleは、iPhone12シリーズの発売が遅れるのを回避すべく努力するのと同時に、iPhone XR、iPhone11、iPhone SE(第2世代)といった低価格モデル4,500万台以上の製造をサプライヤーに発注し、販売台数を確保する方針だ、と同メディアは伝えています。
「7月に製造開始」「9月に発売」との情報も
iPhone12シリーズについては、7月には製造が開始されると台湾メディアDigiTimesが報じていました。
Wedbush証券のアナリストは先日、サプライチェーンの生産能力が回復しており、9月には発売されるとの予測を公開しています。
なお、Apple関連の著名アナリストミンチー・クオ氏は、より高速な5G通信が可能なミリ波(mmWave)対応モデルは、4月にアンテナの設計変更があった影響で製造が遅れる、との予測を4月に発表しています。
Source:Nikkei Asian Review
Photo:iPhone12 Pro EverythingApplePro/YouTube
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-299006/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania