開発者はつねに、アプリケーションの中でデータベースの部分が重くなりすぎないよう気を使う。そこで、データベースの部分を簡単なAPI呼び出しに変えたFaunaが、今日(米国時間7/1)2700万ドルの資金調達を発表した。
そのラウンドは実際には、Madrona Venture Groupがリードした2017年のシリーズAの拡張で、それにはAddition、GV、CRV、Quest Ventures、および数名の個人投資家が参加した。同社によると、今日の投資で調達総額は5700万ドルになる。
同時に同社は役員の強化を図り、元OktaのチーフプロダクトオフィサーEric Berg氏をCEOに、元SnowflakeのCEO Bob Muglia氏を会長に迎えた。
APIへの移行と言えば、決済のStripeや通信のTwilioがその代表格だ。高度な機能を自分でスクラッチから書くのではなく、サービスのAPIを呼び出せば、次の瞬間には道具立てがあっさりと揃っている。Faunaはそれを、データベースでやろうとしている。
CEOのBerg氏はこう述べる: 「Faunaのコードを数行書くだけで、あらゆる機能の揃ったグローバルな分散データベースを自分のアプリケーションに加えられる。コーディングが楽になり、コストを下げ、データベースの正しさ、容量、スケーラビリティ、レプリケーションなど面倒な問題で悩まないので納品も早くなる」。
自動化をさらに徹底するためにそのデータベースはサーバーレスで、スケールアップもダウンもアプリケーションのニーズに応じて自動的に行われる。共同創業者でBerg氏の下(もと)でCTOになったEvan Weaver氏は、Stripeを見ればAPIの利便性がよく分かるという。「Stripeをプロビジョニングする、なんてことを考える必要がない。しなくてもいいのだから。アカウントにサインアップするだけで、そのあとのプロビジョニングとかオペレーションは一切考える必要がない」、とWeaver氏は説明する。
多くのAPI企業と同様に、同社は開発者のコミュニティとコンセンサスを重視している。現在、およそ25000名のデベロッパーがこのツールを利用している。オープンソースのバージョンはないが、無料ティアのユーザーを同社は増やそうと努めている。彼らは今後、途中で従量制や月額固定料金で利用する有料ユーザーに変わってもよい。
同社は前からずっとリモートなので、新型コロナウイルスが襲ってきても40人の社員の働き方は変わらない。Berg氏によると、会社の成長に伴い、今ではダイバーシティとインクルージョンに関する積極的な目標がある。
Berg氏曰く、「うちの人事には、弊社のパイプラインと雇用努力におけるダイバーシティについて考える場合のかなり積極的な達成目標があり、会社がまだ小さなチームでもあるので、成長によってそれを維持できなくなるおそれはない。社員が倍になったら目標のパーセンテージを大きく変えることになると思うが、それがつねに念頭にあることは変わらない」。
Weaver氏によると、資金調達を初めたのは今年の初めなのでCOVID-19の前だ。でも、タームシートに署名したのは3月だ。そのときはすでにパンデミックが宣言されていたので、かなりナーバスになった、と彼は認める。Faunaのように技術が高度な企業は、成長に時間を要する。彼は、今の厳しい経済状況がなかったとしても、投資家たちがその難しさを理解してくれるか、気にしている。
氏は曰く、「ディープテクノロジーの事業なので、成長とスケールに本物の資本が要る。ハイリスク・ハイリターンのビジネスだが、ブームのときには資金調達も容易だ。しかしずばり言えば、最良の企業は人材の獲得が楽で資本へのフォーカスが大きい不況時に作られると私は思う」。
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