パンデミックはデートアプリS’Moreの足を引っ張っていない。少なくともCEOのAdam Cohen-Aslatei(アダム・コーエン・アスラテイ)氏はそう語っている。同氏によると3月のDAU(1日のアクティブユーザー)は倍増し、その後も減っていない。
「家で仕事をしていれば、人との関わりに費やす時間も多くなるからね」とコーエン・アスラテイ氏はいう。
S’Moreという名称は「Something More」の短縮形で、2019年秋にローンチしたこのアプリ(未訳記事)は、これまでに5万近いユーザーを集めた。「Something More(それ以上のもの)」という名称はアプリの目標を表現していて、それはその他多くのデートアプリのように相手のルックスだけを重視する薄っぺらさを止めようという意味だ。
コーエン・アスラテイ氏によると、チームは、人種の多様性と性的指向性の多様性の両方に対するマーケティングに相当な時間を費やすことによって、多様なユーザーを集めることができた。S’Moreでは相手を人種でフィルターすることができず、ユーザーの15%はLGBTQを名乗っている。
健康のリスクがあるときに初めての人とデートするのはかなり難しいものだが、同氏によるとS’Moreのユーザーはとてもクリエイティブで、例えばお互いに気に入っているレストランのテイクアウトを利用するリモートディナーというデートのやり方もある。そして一部の州では再び閉鎖が進んでいるが(未訳記事)、店舗などが再開したら「このバーチャルな関係をリアルなものにするのはどうすればいい?」と尋ねればいいのだ。
S’Moreは最近ビデオ通話機能を追加し、ユーザーの対話方法を増やした。しかしコーエン・アスラテイ氏によると、女性は相手は良い感じかどうかわからなければ、その男性に会いたいとは思わないため、S’Moreのビデオ通話では最初の2分間、相手の顔などがボケた状態で表示される。最初はほとんど会話だけを交わし、相手がどのような人物なのかを把握できるようになっている。相手の容姿が確認できるのはその後になる。このやり方はNetflixのデート番組「Love is Blind」に似ている(未訳記事)。
さらにS’Moreは先週からボストン、ワシントンD.C.、ニューヨーク、シカゴに加えてロサンゼルスでも利用できるようになった。そして同社のビデオシリーズをInstagramのIGTV、S’More Happy Hourで見られるようになっている。そこではセレブたちがデートのアドバイスをしてくれる。
「デートアプリには、否定的な行為や偽の画像、なりすましといったネガティブな歴史がある。しかし我々はそろそろ、本人であることを軸とする新しい時代へ進むべきだ。S’Moreは、ユーザーをその方向へ誘う新しいデートアプリの1つだ」とコーエン・アスラテイ氏は語る。
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画像クレジット:PM Images / Getty Images
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)