インド国内で、他のどの国際企業よりも多くのユーザーに利用されているFacebookが、世界で2番目に巨大なインターネット市場の中で、さらにその触手を伸ばすチャンスをつかめる新しい分野を見出した。
Facebookは、インドの私立および公立学校の教育を監督する政府機関である中等教育中央委員会(CBSE、Central Board of Secondary Education)と提携(CBSEサイト)して、インド国内の学生や教育者たちに、デジタル安全性とオンライン上の健全な活動や、拡張現実(AR)を教える認定カリキュラムをローンチした。
FacebookとCBSEは、これらの科目を通じて、中学生たちを現在および将来の仕事に備えさせ、インターネットを安全に閲覧して「十分な情報に基づいた選択」を行い、自らのメンタルヘルスについて考えることのできるスキルを身につけさせることを目指している。
Facebookは、これらのトレーニングを、フェーズを追って提供すると述べている。最初のフェーズでは、1万人以上の教師がトレーニングされ、2番目のフェーズではその教師たちが、3万人の生徒を指導する。ARに関する3週間のトレーニングでは、発展しつつあるAR技術の基礎と、FacebookのSpark AR Studioを利用したAR体験を作成する方法について説明する。
「教師と生徒の皆さんに、2020年7月6日から始まるプログラムへ申し込むことを奨励します」と声明で述べているのは、インドの人材開発大臣であるRamesh Pokhriyal(ラメシュ・ポクリヤル)氏だ。
最近のFacebookは、同国内における同社のサービスの悪用に直面しているために(未訳記事)、テクノロジーの危ない側面についての意識を高めるための取り組みを強化している。昨年同社は、通信業界の大手Reliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)と提携し、最終的には57億ドル(約6100億円)を投資する予定で、国内初のインターネットユーザー向けに「これまでで最大のデジタルリテラシープログラム」である「Digital Udaan」を立ち上げた(未訳記事)。インドはユーザー数で見るなら、Facebookの最大の市場だ。
Jed FoundationならびにYoung Leaders for Active Citizenshipと共同で開発されたInstagramの「Guide for Building Healthy Digital Habits」(健康的なデジタル習慣を構築するためのガイド)は、若者たちが自分たちの活動する「社会感情的な空間」をよりよく理解し、健全な対話を行えるようにすることを狙っている。
「CBSEが『Digital Safety and Online Well-being, Instagram Toolkit for Teens and Augmented Reality』(10代の若者のための、デジタル安全性とオンライン上の健全な活動向けInstagramツールキット)モジュールを導入した、唯一の委員会であると発表できることを誇りに思っています。テクノロジーとデジタル安全性を学校のカリキュラムに組み込むことで、生徒はデジタル経済で成功するための知識を得るだけでなく、安全なオンライン環境で学習し、協力することができるのです」と声明で語るのは、CBSEの会長であるManoj Ahuja(マノジ・アフジャ)氏だ。
7月5日のこの発表は、サイバーセキュリティへの懸念を巡って、中国で開発された60近くのサービスがインド政府によってブロックされることで始まった、注目すべき週を締めくくるものとなった。インド政府の禁止命令を受けたサービスの1つであるTikTokは、アジアで3番目に大きいこの経済圏を、中国以外では最大の市場として扱っていた。
中国の巨人ByteDanceが運営するこのサービスは、インドの2億人以上のユーザーに利用されていて、そのほとんどは小さな町や都市に住んでいる。TikTok は昨年から、インドの多数のコンテンツ作成者や企業と協力して、教育用ビデオをその短編ビデオサービスを通じて投入し始めていた。
画像クレジット: MANJUNATH KIRAN / AFP
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(翻訳:sako)