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Apple Siliconの展望~デスクトップとそれ以外、2系統のSoCを開発か?

Apple macOS Big Sur
 
Apple Silicon開発の理由と今後の展望について、TSMCで6年間勤務した経験を持つCounterpointのアナリスト、ブラディ・ワン氏が自身の分析と予想を伝えています。

Apple Silicon開発の理由

ワン氏は、Apple Silicon開発の理由を下記のように分析しています。
 

  • 単一のサプライヤー(Intel)への依存度を減らす
  • 競合他社との差別化
  • エコシステムを独自にコントロールすること
  • iOS系とmacOS系で同じプログラミングツールを使えること
  • コスト削減
  • 周辺チップ統合による効果

    ワン氏は、Apple設計チップは、ARM互換コアのApple Siliconだけではなく、GPU、オーディオ・ビデオプロセッサ、メモリーコントローラ、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)などの非ARMコアを含めて多岐にわたることを指摘しています。
     
    これらの非ARMチップは現在、AシリーズSoCよりも大きなスペースを専有していますが、もし、AシリーズSoC(Apple Silicon)に統合できれば大幅なコスト削減が実現できる上、競合他社が同様に全てを自社開発して追従するのは容易ではない点も、Apple Siliconを開発する上での大きなアドバンテージだとワン氏は分析しています。

    将来のApple Silicon

    開発者移行キット(DTK)にはA12ZがApple Siliconとして搭載されていますが、実製品登場時にはiPhoneもしくはiPad向けのAシリーズSoCをそのまま使用することはないだろうと、ワン氏は予想しています。
     
    同氏によれば、MacBookシリーズや場合によってはiPad Pro向けを含めたモバイル向けと、Mac ProやiMac Proなどの高性能Macシリーズ向けの2系統のApple Siliconが提供される可能性があるとのことです。
     
    その理由としてワン氏は、「ラップトップなどのモバイル向けでは、低消費電力であることを活かし、冷却ファンを廃してバッテリースペースを拡大できるように設計する(パフォーマンスとバッテリー駆動時間の両立)」「高性能Macシリーズ向けは、バッテリー消費を気にせずにパフォーマンス重視の設計をする」と、使用環境にあった製品にできることを、Apple Siliconが2系統になると予想する理由にあげています。
     
    将来はSSDコントローラーや超広帯域無線通信(UWB)などのセンサー類も統合していくのではないかとワン氏は予想しています。Apple Silicon(プロセッサ)の単価はIntelのプロセッサ(CPU)より安いが、それによって将来のMacシリーズが現在のモデルよりも安くなることに必ずしも繋がらないと、ワン氏は伝えています。
     
    今後の製品展開におけるApple Silicon戦略について、SonnyDickson.comも複数のソースから得た情報をもとに、解説しています。
     
     
    Source:Counterpoint via Patently Apple
    Photo:Apple
    (FT729)

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