伝えられるところによれば、Uber(ウーバー)はPostmates(ポストメイツ)を、26億5000万ドル(約2850億円)相当の株式で買収することに同意した。 Bloomberg(ブルームバーグ)によれば、この取引は米国時間7月6日の朝には発表される予定だ。
他の旅行関連および輸送関連のビジネスと同様に、Uberの配車サービス部門は、米国全体での自宅避難命令によって、新型コロナウイルスのパンデミックの悪影響を受けている。しかしその一方で、皆がUber Eatsなどのサービスを利用して、家を出ることなく食品を調達しているおかげで、オンデマンドデリバリー部門は成長している。最新の決算報告によれば、Uberの配車サービスの総予約数は減少したものの、フードデリバリーサービスの第1四半期における総売上は、54%増加した(未訳記事)。
それ以前のレポートによれば、Uberは今年はじめに、また別のオンデマンドデリバリーサービスであるGrunhub(グラブハブ)に対して買収提案を行っていたが(未訳記事)、その取引は成立せず、その後Postmatesへアプローチしたとのことだ。ブルームバーグは、UberとPostmatesは、実際には約4年間に渡って断続的に話し合いを続けてきたのだと伝えているが、交渉がさらに濃密なものになったのはおよそ約1週間前のことである。
GrubhubはUberとの交渉が停滞した後、欧州のJust Eat Takeway(ジャスト・イート・テイクアウェイ)に、73億ドル(約7800億円)相当の取引で買収された。
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PostmatesはGrubhubよりも小規模な会社で、2019年9月時点での最後のベンチャー評価額は24億ドル(約2580億円)だった(未訳記事)。同社は密かに2019年2月の上場を申請していた(未訳記事)が、「不安定な市場」状況(未訳記事)を理由に、その上場延期を決定していた。 先週後半には、Postmatesが今週目標評価額39億ドルでIPOに踏み切るとのレポート(Fox Business記事)が出された。おそらくそれは、交渉途中で評価額を引き上げるために撒かれたストーリーだったのだろう。
契約が締結された場合、米国のフードデリバリー市場は、Uber Eats/Postmates、Grubhub/Takeaway、そしてDoorDashの三つ巴の競合となる。
他の国では、Grab(グラブ)のような企業もまた、自身のオンデマンドデリバリーサービスの構築を始め、配車予約の減少による損失を埋め合わせようとしている。例えば、Grabは(その主要市場である)インドネシアやその他の東南アジア諸国で発令された在宅命令に呼応して、その配車サービスドライバーを食品や生活必需品のオンデマンドデリバリーへと再配置した。
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(翻訳:sako)