かなりの期待が寄せられていたDisney+での「Hamilton(ハミルトン)」配信は成功したようだ。アプリストア分析会社Apptopiaの最新データによると、Disney(ディズニー)のストリーミングサービスは米国時間7月3日の「ハミルトン」世界デビューを受けて独立記念日(7月4日)週末のダウンロード数が大きく伸びた。7月3日から5日にかけて、インドと日本を除く全世界でDisney+モバイルアプリは75万2000回超ダウンロードされた。うち45万8000回が米国でのものだったとApptopiaは推定している。
6月の週末(金曜〜日曜)4回の平均ダウンロード数から46.6%増だとApptopiaは指摘した。しかしこのダウンロードの数字にはインドと日本は含まれていない。インドではDisney+は Hotstarを介して (未訳記事)、日本ではNTT Docomoとの提携のもとに既存のサービスを通じてストリーミングされている(The Hollywood Reporter記事)。
独立記念日の週末のダウンロード回数はまた、米国においては6月にあった4回の週末よりも74%多かった。これは米国の購読者の「ハミルトン」へのかなりの関心を示している。「アメリカ建国の父」をテーマとしていることを考えると驚くことではないだろう。
特筆すべきは、これらのダウンロードは無料のトライアルではなく、有料購読者を意味していることだ。Disney+の1週間無料トライアルは6月に終了している(CNET記事)。
ApptopiaのライバルであるSensor Towerは少し異なるアプローチで「ハミルトン」効果を分析した。6月29日から7月5日にかけてダウンロード数は前週比64%増となったとYahooは報じた。7月3〜5日の全マーケットでのインストールは100万回となると予想していた。
Apptopiaはまた、ダウンロード数において「ハミルトン」が2020年これまでのところ最高のコンテンツ立ち上げとなったことも指摘した。これは、消費者が新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウン下にあったときにリリースされた「Frozen 2」を超えていることを意味する。また「Onward」「Artemis Fowl」をも上回った。
もちろんモバイルアプリのダウンロード数は「ハミルトン」のためだけに何人の人が購読を申し込んだのか、その全体像を示すものではない。新たなDisney+購読者の多くはテレビですでにサインアップしていて、モバイルアプリを追加でダウンロードしたということはあり得る。
米国でもトップのストリーミングデバイスとテレビのメーカーであるRokuのオンラインチャンネルストアがランキングの「トップチャート」を提供していたら、Disney+の人気ぶりをそこで目にしていたかもしれない。しかしRokuのユーザーベースがDisney+アプリに、レビュー総数15万5006件で4.3のレーティングを付けているというのは指摘するに値する。参考までに、Netflixのレビューは367万5383件だ。これは、新サービスのDisney+がいかに急速にマーケットリーダーの座を奪いつつあるかを示している。
5月にDisneyは、ストリーミングサービスDisney+の購読者数が3月28日時点で3350万人だったのが、5月4日時点では5440万人に成長したと発表した(CNBC記事)。
Disney+は、Star WarsやMarvelといったDisneyのトップブランドをフォローする人にアピールしているが、新型コロナ感染拡大で子供を楽しませるためのコンテンツを必要とする家族のかなりの需要をも取り込んだ。新型コロナパンデミックでは、家族のこれまでのアクティビティは制限され、子供を家の中に閉じ込めることになった。月6.99ドル(約750円)、あるいは年間69.99ドル(約7500円)という価格設定は、利用可能なストリーミングサービスの中でもかなりリーズナブルなものだ。
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(翻訳:Mizoguchi)