世界で最も人気のあるショートビデオアプリが、世界中の政治家たちの標的になっている。
米国時間7月6日の夜、米国務長官のMike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏はFox Newsに対して、北京政府による監視やプロパガンダの道具として使われる懸念があるため米国政府はTikTokの禁止を「確かに検討している」と述べた。
米国での禁止が本当になったならば、最近、最大の市場であるインドをを失ったTikTokにとって、それに劣らぬ大きな打撃となるだろう。
ポンペオ氏の声明に続いて今度はTikTokが、国家安全保障法の公布により、北京政府から前代未聞の統制の波にさらされている香港から撤退すると発表した。
TikTokのスポークスパーソンは「最近の一連の出来事を踏まえて、私たちは香港におけるTikTokアプリの運営を止めることに決めた」と述べている。その後同社から、この決定に関するさらなるコメントはない。
声明は曖昧ため、多くの疑問が残る。ByteDanceは検閲を通ったバージョンのアプリを香港でローンチするのか、おそらくByteDanceの中国チームが運営している姉妹アプリであるDouyinに置き換わ置き換わるのではないかと考える必要がある。
中国の連続起業家であるZhang Yiming(張一鳴)氏が創業したByteDanceは、TikTokを中国人の所有権切り離し、北京の検閲とは無縁なものにしようと努めてきた。その努力の中には、TikTok用のデータセンターを海外に置いて中国当局の手が及ばないようにしたり、モデレーションのチェック過程に外部専門家を参加させたり(未訳記事)、アプリの新しいグローバルな顔としてディズニーのKevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏を起用したり(未訳記事)といったことがある。
しかし香港の情況に対する同社の対応は、今やこのアプリを率いるトップであるメイヤー氏によってなされたと思われるが、欧米のテクノロジー大手の決定とは対照的である。Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)、Twitter(ツイッター)そしてTelegramなどは今週口を揃えて、香港政府からのデータ検査のリクエストを拒否または保留にするとしている。
彼らの態度は中国政府による検閲や監視に対する断固たる拒否と見られているが、香港における次のステップを考えるための時間稼ぎとも見られている。香港からの自発的撤退か、禁じられるまで現状続行か、あるいはこれは最もありそうにないが北京政府のルールに従うか。
TikTokによると、同社の香港のユーザー数は2019年9月現在で15万人であり、2020年4月に全世界で20億回ダウンロードされたアプリにとってはほぼ無視することができる数だ。TechCrunchはこのアプリが香港でとても小さなチームが運営していると理解しており、香港を去ることのスタッフに与える影響は、同社全体から見れば限定的であるようだ。
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