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ハンガリーの自動運転スタートアップAImotiveが宇宙における衛星運用の自動化にAIを活用

ハンガリーの自動運転スタートアップであるAImotive(AIモーティブ)は、増大する異なる産業の需要に同社の技術を活用しようとしている。衛星運用の自動化だ。AImotiveは衛星用のAIによる運用のためのハードウェアプラットフォームを開発するために、衛星サプライヤー、宇宙技術のC3Sとチームを組んでいる。AImotiveのaiWareニューラルネットワークアクセラレーターを、衛星での使用向けにC3Sが最適化する。運用は道路を走行する車両に搭載されているものと多くの点で似ているが、パワー管理、そして環境的に運用上の危険という点においてはより厳密な要件をともなう。

2社の取り組みの最終目標は、2021年後半までにAImotiveの技術を実際に軌道を回っている衛星で活用することだ。2社によると、搭載されるニューラルネットワークアクセラレーターは通信、地球画像・観測、他の宇宙船との衛星の自動ドッキング、深宇宙探索など多くの異なる機能に活用される予定だ。

大半の衛星が、すでに本質的には自動で動いているのは事実で、常にマニュアル操作で飛んでいるわけではない。しかし特定のエリアの画像処理、地上や宇宙のターゲット地の探索といったタスクを実行するときに、ニューラルネットワークベースのAIがより自主性を提供することになる。また、AImotiveとC3Sはデータのローカル処理が衛星ビジネスにおいてかなりのゲームチェンジャーとなる可能性を秘めていると確信している。

現在、衛星が収集したデータの処理の大半は未加工情報として地上のステーションに送信される。実際のところこの方法では、データの収集から加工データの顧客への提供までにかなりのラグタイムがある。衛星オペレーターや他の仲介者が未加工情報を単に提供するのではなく、クライアントに代わって処理業務を行うときは特にそうだ(もちろん、このような分析を行うことでデータプロバイダーにとっては儲けが大きくなる)。

AImotiveの技術により、情報が取り込まれた衛星上でのデータ処理ができるようになる。地上のIoT世界では、このような「エッジコンピューティング」の方向へ大きなシフトチェンジが行われている。データを提供する時間の削減を含めて、地上と同様の理由で、宇宙でもそうしたデータ処理を再現するのは理にかなっている。これにより有料顧客にこれまでよりもレスポンスの良いサービスを提供することになる。

画像クレジット:AImotive

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(翻訳:Mizoguchi

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