株式会社ジャストシステムが2020年3月に実施した調査によると、ネットスーパー利用者の約6割が「直近3カ月で、利用頻度が増えた」と回答したという。新型コロナウイルスの影響で人との接触をさける手段のひとつとしてネットスーパーを利用する人が増えているのだろう。
そんななか、食品流通市場のDXを加速する株式会社10Xとセイノーホールディングス子会社のココネット株式会社が業務提携を締結。これにより、スーパーなどの小売事業者がシステム開発と配送員確保なしでネットスーパーを立上げ可能となるシステムを構築した。
両社のサービスの特徴は……
同システムは、両社のサービス「Stailer」と「スパイダーデリバリー」を組み合わせることで実現している。
10Xが提供する「Stailer」は、ネットスーパー事業の立ち上げ・運営を行う小売・流通事業者のレガシーなシステムを置き換えDXを加速し、顧客に「10倍便利な」買い物体験を提供するサービスだ。
「Stailer」を導入することで、システム開発不要でネットスーパー事業が開始できるというのが大きな特徴。また、ネット時代に対応した商品管理・配送システムの設計・構築や、ネットで注文した商品を店舗で素早く受け取れる「クリック&コレクト」システムの導入など「買い物体験の再定義」を実現するサービスでもある。
直近では、2020年6月に「イトーヨーカドーのネットスーパー」スマートフォンアプリの提供を開始した。
一方、ココネットが運営する「スパイダーデリバリー」は、スーパーなどの商品を自宅まで届けるラストワンマイル配送サービスだ。さまざまな依頼があるなかで、AIにより最も効率の良い業務指示と配送ルートが算出され、ハーティストと呼ばれる配送員へ指示が届く。これにより効率的な配送とお届け費用の変動費化・削減を実現しているのだ。
同サービスには4つの基本スタイルがある。ユーザーが自ら実店舗で買った商品を自宅に配送する「来店型」と、配送時または訪問時にユーザーから直接注文を聞く「ご用聞き型」、ユーザーが記入した注文書を回収して商品を届ける「注文書回収型」、そしてネットスーパーで買った商品を届ける「ネットスーパー型」。
多様なスタイルによりさまざまなユーザーのニーズに応えている同サービスは現在、政令指定都市を中心とした都市部で積極的に展開中だ。
時間とコストを抑えて、新規事業を開始
これにより、小売事業者はシステム開発や配送員確保という時間とコストのかかるプロセス省き、ネットスーパー事業に乗り出せるのだ。
- Original:https://techable.jp/archives/130696
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口