Appleに対してアイルランド政府が税制上の優遇を提供するのを違法として欧州委員会が追徴課税を指示していた問題で、欧州司法裁判所が、欧州委員会の主張を退ける判断を下し、Appleが勝訴しました。
2016年から続いていた裁判が決着
欧州委員会は、Appleが税率の低いアイルランドに子会社を置きアイルランド政府の税制上の優遇を活用して利益を得ているのは不当であり、アイルランド政府が追徴課税すべきと主張して2016年に提訴していました。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「政治的なたわ言」と批判し、Appleは欧州委員会の主張は不当と反論して提訴しましたが、2018年にAppleは130億ユーロ(現在のレートで約1兆5,900億円)を支払っています。
現地時間7月15日、欧州司法裁判所が欧州委員会の主張を退けたことで、Appleが勝訴しました。
ただし、欧州委員会側が上訴する可能性もあり、その場合は最終的な結論まで、さらに3年〜4年かかることが予想されます。
Appleは2014年の時点で子会社移転、との報道も
Appleは最近、Appleの英国子会社が利益をアイルランドの子会社に「配当」として移転させることで節税している、との批判を受けています。
2017年には、Appleは2014年の時点で欧州委員会の動向を察知し、子会社の租税上の登記地をアイルランドからフランスのノルマンディ沖にあるジャージー島に移転させていた、と報じられていました。
ジャージーは、人口10万人ほどの小さな島で、企業に税金を課さないタックスヘイブンとして知られています。
Source:欧州司法裁判所(PDF), 日本経済新聞
(hato)
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