マシンや自重などを用いて、ターゲットの筋肉に負荷をかけるレジスタンストレーニングは、加齢での筋力の衰えに抗うための有効な手段だ。ただ、いまのところトレーニングの際にかける負荷については、運動の反復回数とセット数で表されていて、十分正確とはいえない。
こうしたことから、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHチューリッヒ)の研究チームは、マシンでのレジスタンストレーニングを正確にマッピングし、不足している比較値を取得する手法を開発。データドリブンなレジスタンストレーニングを提案している。
スマホを使って筋肉の収縮時間を数値化
ETHチューリッヒのブログ記事によれば、レジスタンストレーニングでの筋成長を最適化するには、時間的パターンの数値化がポイントになるとのこと。
研究チームは、レジスタンストレーニングが正確にマッピングされていない問題を解決するために、スマホを使ったアプローチを思いついた。
レジスタンストレーニングでの運動の繰り返し回数や筋肉の収縮時間などを、誰もが持っているスマホを活用して数値化し、研究や個々のトレーニングに役立てようというわけだ。
負荷と筋肉の成長との関連解明に
研究チームは、スマホをマシンのウェイトスタックに取り付け、加速度を記録する手法を開発。22人の被験者で実証を試みた。
取得したデータから筋肉の収縮時間を予測し、ビデオ録画と比較したところ、同手法の正確性が示されたとのこと。
これにより、レジスタンストレーニングでの負荷を定量化し、筋肉の成長との関連を解明することにつながる。
同手法を利用して、筋量の増加や筋力の向上といった個々のニーズを効率的に満たせるようにするのが、研究チームのビジョンだ。そのためにチームは、将来的には体組成など幅広いデータと組み合わせることも検討している。
参照元:Data-driven resistance training against muscular atrophy/ ETH Zurich
- Original:https://techable.jp/archives/131886
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji