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EUもHuawei排除なら、中国は報復でNokiaやEricssonを規制か

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米中間の緊張高まりを受け、国際的な締め出しを食らっているHuaweiですが、仮にEUも同社を排除する方針を決定した場合、中国が報復措置としてNokiaやEricssonを排除する構えを見せていることが分かりました。

2019年に米政府がHuaweiをエンティティーリスト(禁輸措置リスト)に追加し、米企業が政府の許可なく取引することを禁じたことをきっかけに、国内外の企業がHuaweiとの取引を見合わせています。当初は米企業のみでしたが、米政府が締め付けを厳格化したことで、台湾企業TSMCなどもHuaweiとの取引を終了すると発表しました。
 
また米国だけでなく、イギリスも一転してHuaweiを5G通信システムから排除する方針を固めたことで、同社への風当たりは一層強まっています。しかし中国も指をくわえて傍観しているわけではありません。Wall Street Journalによると、仮にイギリスに続いてEUも排除を決定した場合、報復措置としてNokiaとEricssonへの制裁が検討されているようです。
 
Nokiaはフィンランド、Ericssonはスウェーデンの企業で、いずれも5G通信システムで国際的な影響力を持っています。Reutersは「Huawei製品の排除は米国が先頭に立って進めているが、NokiaとEricssonが最も大きな恩恵を受ける可能性がある」とし、5Gの覇権争いが一層激化する可能性を指摘しています。
 
EUは現時点ではHuaweiを排除する方針を採っておらず、2020年1月には欧州委員会が容認する姿勢を明らかにしています。なお、EUに先立つ形で米国に対しては、AppleやBoeingといった米企業が報復措置の規制対象になるのではないかとの観測も浮上しています。

スマートフォン事業の先行きも怪しい

今回は5G通信が“戦場”ですが、Huaweiはスマートフォンでも大きな打撃を受けています。
 
これまでHuaweiが提携してきたサプライヤーの多くは米企業と何らかの関わりを持っており、完全に米企業に依存しない企業を探すのは非常に難しいためです。一部にはSamsungが助け舟を出すのではないかといった見方もありますが、米政府の意向に逆らってまでHuaweiを助けるメリットは薄いと考えられます。
 
 
Source:WSJ,Reuters
(kihachi)

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