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ユニクロも利用するマーケティングSaaSであるシンガポールのInsiderが34億円を獲得し米国進出へ

シンガポールを拠点とし、クライアントのマーケティング意思決定を支援するソフトウェアを開発するスタートアップのInsider(インサイダー)は、シリーズCで3200万ドル(約34億円)を調達後、米国での立ち上げを計画している。このラウンドはRiverwood Capitalがリードし、Sequoia India、Wamda、Endeavour Catalystが参加した。

2012年に創業した同社のマルチチャネルマーケティングとカスタマーエンゲージメントSaaSは現在、Singapore Airlines(シンガポール航空)、Marks and Spencer(マークスアンドスペンサー)、Virgin(バージン)、Uniqlo(ユニクロ)、Samsung(サムスン)、Estée Lauder(エスティローダー)など800を超えるブランドが利用しているという。

Insiderの調達総額はシリーズCにより4200万ドル(約45億円)になる。新しい資金は米国進出の他、販売およびマーケティング、研究開発チームのエンジニア採用、プラットフォームへの新機能追加のために使われる。

同社の特筆すべき点の1つは、共同創業者兼最高経営責任者のHande Cilingir(ハンデ・シリンガー)氏を含む経営陣の半分が女性であることだ。同社は高校生、特に女子にコーディングクラスを提供するプログラム「ヤングエンジニア」を運営しており、学童年齢の子供たちにも拡大する予定だ。

シリンガー氏はTechCrunchに「InsiderのAIベースのテクノロジーはSalesforce(セールスフォース)のような古い大規模な競合他社とは異なる。オフラインを含むさまざまなマーケティングチャネルからの顧客データを統合できるため、企業は顧客の行動についてより適切に予測できる」と語った。Insiderのアナリティクスはブランドがウェブ、モバイルアプリ、メッセージングアプリ、メールなど異なるプラットフォームにまたがるキャンペーンを調整するのに役立つ。

「当社はこれらすべてのソリューションに加え、テクノロジーにより運用上のボトルネックを克服できるため、ワンストップショップを形成できるが、同時にオンラインビジネスに必要なパーソナライゼーションテクノロジーを含むすべての機能を提供している」とシリンガー氏は述べた。

ブランドの新しいマーケティング戦略策定を支援することは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの時代には重要だ。例えばeコマース企業は、新型コロナによる外出禁止命令の際にトラフィックが急増したが、それを売上にどう結びつけるかを理解する必要がある。一方、旅行やホスピタリティなどの業種では、収益を上げる新しい方法を見つける必要がある。

同社は欧州、アジア、中東の24カ国にチームを持ち、ブランドのローカリゼーション戦略をサポートしている。国ごとにInsiderのソフトウェアを調整する必要はないが、シリンガー氏によるとマーケティングは文化によって大きく異なるという。

例えばインドネシアでは直接販売が重要だが、日本では販売業務は「社内代理店」が行っていることが多い。Insiderのカスタマーサポートチームはソフトウェアを補完する役割を担い、クライアントがソフトウェアによりマーケティング戦略を策定するのを支援する。

Sequoia IndiaのプリンシパルであるPieter Kemps(ピーター・ケンプス)氏は、この投資に関する声明で次のように述べている。「最初からInsiderのチームは気に入っていたが、非常に効率的なマーケティングエンジンに驚いた。優れたプロダクトとテクノロジー、顧客との対話の質により、Insiderは多くのポイントソリューションの中でも際立っており、同社が築き上げた顧客リストは非常に印象的だ」 。

画像クレジット:Insider

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(翻訳:Mizoguchi

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