TikTok (ティクトック)はまたしても、別の国で槍玉に上がっている。
パキスタンは、アプリ上に「不道徳でわいせつ、下品なコンテンツ」があるとして、Bigo Live(ビゴライブ)ストリーミングアプリを禁止し、ByteDance(バイトダンス)のTikTok(ティクトク)に「最後の警告」を出した。
パキスタン通信当局(PTA)は、BigoとByteDanceのアプリで拡散しているビデオの性質、そして「一般社会、特に若年層」にいかに影響を及ぼしているかについて、社会のさまざまな方面から多くの苦情が寄せられている、と説明した。
PTAは声明文の中で、そうした懸念についてByteDanceと、Bigoアプリを運営するBigo Technologiesにこのほど伝え、「法的に、そして道徳的に一線を超えることがないよう積極的に「社会問題化とコンテンツに対応するよう」促したと述べた。
「ゆえに、PECA(電子犯罪防止法)のもと、PTAはすぐさまBigoをブロックすることを決め、TikTokに対してはソーシャルメディアアプリを通じて、わいせつさ、下品さ、不道徳さをコントロールするための総合的なメカニズムを導入するよう最終警告を通知した」
TechCrunchへの声明文で、ByteDanceの広報担当は、同社の利用規約に違反する問題のあるコンテンツを見つけてレビューするために、同社はテクノロジーとモデレーション戦略を組み合わせて展開していると述べた。2019年下半期に同社はパキスタンから372万8162点のユーザービデオを削除した。
「当社はユーザーの安全性を確かなものにするためにさらにセーフガードを強化することを約束する一方で、当社のポリシーをを説明し、ユーザーセキュリティのために取り組んでいることを示すために当局との対話を増やしていく」と広報担当は述べた。
パキスタンが今回の措置を取る数週間前に、お隣りのインドはサイバーセキュリティの懸念を理由に、中国企業が開発したTikTokやBigo、そのほか57のアプリを禁止した。
禁止前、TikTokはインドでの月間アクティブユーザーが2億人超を抱え、インドを中国外で最大のマーケットと位置付けていた。インドと同様、TikTokはパキスタンでもかなり人気だ、とカラチ拠点の配車サービススタートアップBykeaの幹部、Danish Khalid(デーニッシュ・カリード)氏は話した。
モバイル調査会社Sensor Towerによると、TikTokは昨年パキスタンで最もダウンロードされたアプリだった。同国のインターネットユーザーはおおよそ4000万人だ。
一部の活動家は、パキスタンのTikTokへの警告とBigo Live禁止は、国が「どこまで検閲できるかを試すため」のものだと非難した。
パキスタンはまた今週初めに、人気モバイルゲームPUBGを一時禁止とした。同国の若年層が「習慣性のある」アプリで「時間を無駄にしている」ことを懸念しての措置だ。
パキスタン政府は今年初めに、同国でサービス展開している米国のテック企業に深刻な影響を及ぼしうる、インターネット検閲にかかる世界で最も広範な規則を明らかにした。しかしその後、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)などがパキスタンから撤退しそうになったことを受けて、規則を撤回した。
ByteDanceの主要アプリであるTikTokは、米国でも難しい状況に直面している。米国務長官Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏は今月初めに、TikTokが監視とプロパガンダのツールとして中国政府に使われているかもしれない懸念があり、米国はTikTokを禁止することを「確かに検討している」と述べた。
画像クレジット: Costfoto / Barcroft Media / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)