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ロシアの衛星兵器テスト疑惑で明確化する宇宙軍事化の証拠

米国宇宙軍は、ロシアが軌道上の既存探査機を使って実施していると疑われている衛星攻撃兵器(Anti-Aatellite Weapon)テストに関する詳細を発表した。問題のロシア探査機は2020年始めに米国のスパイ衛星を追尾している見られたことで大きく取り上げられたのと同じものだ。宇宙軍によると、その同じ宇宙船が何らかの投射物を発射し、現在地球軌道を周回している物体を監視していると見られている。

米国宇宙軍のJohn Raymond(ジョン・レイモンド)宇宙作戦部長は、The Vergeの取材に対して「『ロシアが宇宙ベースのシステムの開発、テストを続けている』こと、およびそれが米国および同盟国の宇宙資産を危険に晒す戦略を追及しているさらなる証拠である」と語った。

宇宙の軍事化は新しい話ではなく、あらゆる方面のあらゆる部隊が攻撃、防御両方の宇宙兵器技術の開発を追究している。考えられる最大のリスクの1つが、今回のように衛星から発射して他の衛星を破壊する兵器であり、地上の通信、諜報、監視など、あらゆる軍事行動の命令、制御に使用されている重要な宇宙基盤を破壊する可能性がある。

宇宙の軍事化に関して米国を悩ましているのはロシアだけではない。4月にインドが行ったテストで、同国は地対宇宙衛星破壊ミサイルシステムを誇示したが、NASA長官はこれを「人間の宇宙飛行と相容れない」ものとして否定した。もちろんこの種の能力を明らかにしたのはインドが最初ではなく、米国、中国、ロシアいずれも同様のテストを実施している。

軌道対軌道攻撃兵器によるリスクの高まりは、米国を始めとする各国軍隊の宇宙内資産の優先度に劇的な影響を与えた。例えば、米国防総省および他の米国防衛・情報機関は、従来利用してきた膨大なコストがかかる巨大な地球同期衛星への依存度を減らし、冗長性を内包する低地球軌道で動作する機敏な衛星群へと転換しているようだ。彼らは商用小規模打ち上げスタートアップにも積極的な投資を行っており、SpaceXなどの既存ロケット企業以上に迅速な軌道ロケット打ち上げサービスの提供を期待している。

宇宙の軍事化に関しては声高な批判者が数多くいることは明白だが、その膨大な戦術的優位に期待する世界の超大国が巨額を投じている事実は変われない。この種のテストの頻度は社会的注目の高まりを踏まえると、中でも米国にとっては、創造的で高度なソリューションを提供できる民間セクターの支援を大いに期待できる分野である。

画像クレジット:Erik Simonsen / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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