Tencent(テンセント、腾讯)が、オンライン検索マーケットでライバルのBaidu(バイドゥ、百度)の攻勢をかわすために、Sogou(ソゴウ)の株式の36.5%を取得(PR NewsWire記事)してから7年になる。ソーシャルとゲームの巨人Tencentは、現在長年のパートナーを買収し、非公開とすることを提案している。
ニューヨーク証券取引所に上場されているSogouは、今週Tencentから、まだTencentが所有していない残りの米国の預託株式(ADS)を1株あたり9ドルで取得したいとする、拘束力のない暫定的な提案を受け取ったと語った(Sogouリリース)。この事が意味するのは、中国のデスクトップ時代の主要なウェブポータルであり、Sogouの支配株主であるSohu(ソフウ、捜狐)が、検索会社Sogouから手を引くことになるということだ。
Sohuの声明によれば、同社の取締役会はまだ提案内容を検討したり、申し出を受けるかどうかを議論できていないとのこと(PR NewsWire記事)だ。この7月27日のニュースを受けて、Sogouの株式は48%上昇して8.51ドル(約899円)になったが、この価格はIPO時に記録した最高価格13.85ドル(約1463円)を遥かに下回っている。
2005年に創業したSogouは、自らを中国最大の検索サービスBaiduへの挑戦者だと宣言し、2017年の後半に株式公開を行った(未訳記事)が、長らくBaiduには大きく水を開けられたままだった。また第1四半期の収益報告書によれば(Sogouリリース)、同社は毎日4億8200万人がタイピングしたり音声をテキストに変換したりして利用している、中国のトップ入力ソフトウェアを運用している。
Tencentとの戦略的パートナーシップが始まって以来、中国語で「検索犬」を意味するSogouはWeChatのデフォルト検索エンジンであり、Tencentのトラフィックから多大な利益を得ている(WeChat自身も独自の検索機能を開発してはいる)。
米中間の緊張が高まる中で、この買収はSogouを米国からの排除対象の中国企業の1つに加えることになるだろう。またこの買収は、WeChat SearchがSogouを邪魔者にしてしまうのではないか、という投資家たちの懸念を和らげることになるだろう。これまでのところ、WeChatの独自の検索機能は、ユーザーのニュースフィード、ユーザーが書いた記事、eコマースストアから、WeChatに統合された軽量アプリなどの、主に個別アプリ内でのデータ収集に使われているようだ。
これは、WeChatの12億人のアクティブユーザーを対象としたコンテンツとサービスの多くをカバーしている(Tencentリリース)。多くの人は、消費者向けニュース、食べ物の注文、ゲームプレイ、食料品の購入などを、チャットアプリを離れて行う必要がない。しかし、巨大なエコシステムの外にはまだ情報が残されていて、それがSogouの得意分野だ。つまり、オープンウェブで利用できるものをWeChatユーザーの手に届けるという役割だ(もちろん、それは中国のすべてのサービスと同様に政府による検閲を受けている)。
このやり方は、大企業同士がお互いをブロックしたり、ライバルが自分のコンテンツにアクセスするのを難しくするという、中国のインターネット上の常習的な慣行を反映している。目的は、トラフィックを固定し、ユーザー情報を抱え込むことだ。例えばWeChatで公開された記事をBaiduで検索することはできないし、ユーザーは、WeChatを離れずにAlibaba(アリババ)ショッピングリンクを開くこともできないのだ。
なおSogouはWeChatにとって唯一の検索パートナーではない。WeChatは、あらゆる情報ニーズを捉えるために、仲間内のマイクロブログプラットフォームであるWeibo(ウェイボー、微博)や、Quora(クオーラ)に似ているZhihu(ジーフー、知乎)、ソーシャルコマースサービスのXiaohongshu(シャオホンシュ、小紅書)とも提携を行っている。
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(翻訳:sako)