CES 2020は、新型コロナウイルス(COVID-19)が真の世界的パンデミックになる前になんとか開催された。そして7月28日まで、CESの主催団体CTAは次回も開催する予定でいた。しかし、CEOのGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏は、ラスベガスで例年開催されるCESの中止をビデオを通じて発表した。CES 2021はこの業界の他のイベントと同様、オンラインでのみ開催される。
中止のニュースはこの業界の人にとって驚きではない。2021年1月というタイムラインは、ソーシャルディスタンスの手段をとるかどうかを決めるにはかなり早いかもしれない。ベルリンのIFAはまだ2020年の開催を計画している一方で、他のメジャーなテックイベントは中止、もしくは今後の状況が読みづらいためにすべてオンライン開催となった。
「新型コロナが猛威をふるう中で、10万人を超える人々が安全に屋内で集うというのは不可能であり、また2021年1月までにワクチンが広く利用できるようになるというのは望めないとの結論に至った」とシャピロ氏はLinkedInへの投稿に書いた。「世界でこれ以上感染者を増やしてはいけない。新型コロナ拡散を避けることで我々の責務を果たす決定をした」。
屋内会場に多くの人を集めるのに加え、国際イベントという性質は現在も続く新型コロナ拡大の主要な原因となる。米国が世界の感染者増加をリードしているという事実はいうに及ばないだろう。にも関わらず、ラスベガスのCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)市長は4月から積極的に経済再開を押し進めていた。
筆者は毎年参加する多くの人に話を聞いたが、CESのようなイベントへの出席については抵抗が残っているようだ。さらに踏み込んでいうと、新型コロナ拡大の温床になることは組織の評判に傷がつく。イベント中止が正しい判断だ。
もちろんCTAはオンラインでのみのイベント開催の人気ぶりを継続させる体制を整えている。CTAは業界ニュースやプロダクト発表のためのプラットフォームとして機能することに関しては世界とコネクションがあり、注目されている。
「最高のグローバルデジタルイノベーションイベントにすることを約束する」とシャピロ氏は書いている。「5Gや人工知能、自動運転車、モビリティの新たな形、デジタルとテレヘルス、レジリエンス、ロボティクス、ドローン、エンターテイメントの新たな形、8K Ultra HDスクリーン、スマートTVなどの福音を、自宅やオフィスからCESにアクセスできる好奇心旺盛な人、起業家、投資家、事業者、メディアに届ける」。
もちろん、この規模のイベントを成功させるには手際の良さを要する。デジタルイベントへの移行に関して、TechCrunchは学習曲線の険しさを理解している。組織にとっておそらく最も困難なことは、大企業の参加を維持することだろう。大企業の多くはイベントに参加するのではなく、すでに自社イベント開催での発表を想定している。
E3 2020が教訓となる。2020年のイベントは2つのコンソール発表によってより盛代なものになるはずだった。しかしSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)はいずれも、PlayStation 5とXbox Series Xを発表するのに自社イベントを選んだ。Samsung(サムスン)もまた、安全上の懸念を理由にIFAから撤退した後、自社開催の発表会を発表した。
CESデジタルイベントは1月第1週に予定されていて、詳細は間もなく発表される。「CES 2022は、実際のイベントとデジタルイベントの最もいい部分を組み合わせて、ラスベガスで開催する計画だ」とCTAはプレスリリースで述べている。それがそのときまでに選択肢となることを願っている。しかし現状では、どうなるか誰にもわからない。
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