Googleの副社長であるDave Burke(デイブ・バーク)氏は、Google(グーグル)がApple(アップル)と共同で開発したExposure Notifications System(接触通知システム、ENS)に関する最新情報を提供(Googleブログ投稿)した。公衆衛生当局の接触追跡を支援するこのコネクテッドソリューションは、プライバシーを保護しつつ、新型コロナウイルスへの感染が確認された人へ接触した可能性がある人に警告を発する。バーク氏は「グーグルはこれら一連のアプリが米国で今後数週間で展開されると見込んでいる」と述べた。実際の製品は5月にリリースしたテクノロジーをベースに作られているが、製品化への進展が見られないとの批判もあった(CNBC記事)。同氏のコメントは批判に対する暗黙の返答かもしれない。
バーク氏によると、現在米国内の20の州と地域がENSシステムを利用したアプリを検討中であり、検討中の州・地域合計で米国人口のほぼ半分(45%)をカバーする。また同氏は、Exposure Notification API(ENS API)や関連する文書や情報について最新情報と改善状況を公表した。両社がそれらを公表したのは、州保健機関からの質問に回答し、望むらくはAPIの使用とプライバシーへの影響に関して透明性を確保するためだ。
ENS APIは、国をまたぐ接触通知もサポートしている。バーク氏によると、このテクノロジーに基づいてアプリをすでにリリースした国、具体的にはカナダ(COVID Alert)と一部の欧州諸国があることを前提として追加された機能だ。また、多種のデバイスに固有のBluetooth値を使って、近くのデバイスの検出する精度にも優れている。加えて、開発者向けにアプリとデバッグツールの両方の信頼性を向上させたため、公衆衛生当局と開発パートナーは、実際にENSを利用するアプリをより簡単に開発できるはずだ。
バーク氏は「開発者から、ENSが内部でどのように機能しているかより詳細な情報が欲しい」というフィードバックがあったと述べた。そこで、テスト検証サーバーの作成、基礎的な動作を明らかにするコード、実際に(匿名化された上で)収集されるデータの種類について保健当局の参考となるガイドを公開した。透明性を確保したデバッグと適切にアプリが機能することの検証を可能にするためだ。
Googleは接触通知機能を利用するためにAndroidデバイスの位置情報設定をオンにする必要がある理由も説明している。APIを使用して開発されたアプリは位置情報データの収集を明確に禁止しているからだ。基本的にこれは古い要件が残ったままになっており、間もなくリリースされるAndroid 11では不要となる予定だ。ただしそれまでは、位置情報サービスがオフになっているとENSを利用するアプリは実際には位置情報を表示または受信することができない。
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【Japan編集部追記】日本国内で配布されている「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」もExposure Notifications Systemを使って開発されている。
(翻訳:Mizoguchi)