グローバル半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス社(以下、ST)は、新型コロナウイルスなどの感染症対策を目的とした製品向けに、高精度ToF測距センサを提供すると発表。オランダのスタートアップ企業であるAura Aware社(以下、Aura Aware)が、STのセンサを用いた製品を開発している。
正確な測定を実現したToF測距センサ
スイスのジュネーヴに本社を置くSTは、35カ国にオフィスを構え、約4万6,000人の従業員を擁する独立系総合半導体メーカーだ。主な事業領域として、半導体ソリューションの開発やエコシステムの構築に取り組んでいる。
今回は、同社の高精度ToF測距センサを、新型コロナウイルスなどの感染症対策に役立てる。ToF測距センサはスマートフォンのカメラにも採用され始めており、その名前は「Time of Flight(飛行時間)」に由来。光子を投射し、それが対象物に反射してセンサへ戻るまでの時間によって、対象物との距離を測定する。
STの高精度ToF測距センサは「FlightSense™」技術を搭載しており、対象物の表面特性に影響されないことを特徴としている。反射率などの影響を受けず、正確に距離を測定できるようだ。
オランダのスタートアップが活用
オランダのアムステルダムに本社を置くAura Awareが、前述の高精度ToF測距センサを活用。店舗のカウンターなどでの使用を想定し、距離検出用の携帯型機器を開発したとのこと。
この機器は、定められた距離を超えて人が近づくと、緑色の信号が赤色に変わる仕組みを備えている。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう状況にあって、ソーシャルディスタンスの確保に役立つ製品といえそうだ。
(文・早川あさひ)
- Original:https://techable.jp/archives/133313
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
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