2019年の世界の携帯電話基地局市場では、欧州企業と中国企業がシェアをほぼ二分する状態でした。しかし米中貿易摩擦の悪化により、今後Huaweiは中国市場に集中せざるを得ず、日本企業にシェア拡大のチャンスが回って来ると、調査会社TrendForceは予測しています。
米中摩擦で部品が調達できないHuawei
2019年においては、スウェーデンEricsson、中国Huawei、フィンランドNokiaが世界携帯電話基地局市場における3強でした。
しかしHuaweiは米政府の規制により、米国産の主要部品が調達できなくなるとともに、中国以外の市場での基地局の販売が難しくなっています。そのため同社は2020年、中国中心の事業展開を余儀なくされています。
5Gで一歩先を行く中国
ただし中国での5Gネットワーク開発は現在世界で最も進んでおり、2020年上半期(1月〜6月)において輸送、物流、製造、医療などの分野で、すでに400以上の5G関連のアプリケーションが開発されています。
また2020年6月末の時点で、中国の3大キャリアであるChina Mobile、China Unicom、China Telecomは、中国国内に25万以上の5G基地局を敷設しています。年末までにはその数は60万に達し、地区レベルの行政区画(省と県の中間)を網羅する見通しです。つまりHuaweiは国内だけでも、充分ビジネスが成り立つということになります。
日本企業にとってシェアを拡大するチャンス
しかし中国以外の市場では、Huaweiが基地局の売上を伸ばすことは難しくなっています。英国政府は現在、5G基地局の購入先としてNECと富士通を検討しているほか、欧州のその他の国々および米国も、日本の基地局メーカーに注目しています。
そのためTrendForceは「日本企業にとって、今が欧州と米国で市場シェアを拡大するチャンス」だと述べています。
Source:TrendForce
Photo:Christoph Scholz/Flickr
(lunatic)
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