アメリカのトランプ大統領は8月6日、安全保障上のリスクを理由に、米企業が中国のSNSアプリ微信(WeChat)と取引することを禁止する大統領令に署名しました。
中国ではWeChatが最重要アプリの一つ
大統領令では、米国市民と米国企業は、WeChatを運営する中国企業テンセントとWeChat関連の取引を行ってはならないと規定しており、9月中旬に発効する予定です。
Bloombergは、大統領令により、AppleがApp StoreでWeChatアプリを提供することが禁止される可能性があり、中国におけるiPhone販売が打撃を受けるリスクがあると報じています。
WeChatは中国での生活に最も重要なアプリとなっており、ショッピングや支払等のビジネス使用や、個人間のコミュニケーションまで、幅広く利用されています。
多くの中国人は、電話やメールを使用せずにWeChatを利用しており、電子マネーが普及している中国では、WeChat無しでは少額の買い物も難しいとさえ言われています。
Appleにとっての中国リスクとは
人口13億人を超える中国はAppleにとって最も重要な市場の一つとなっており、iPhoneでWeChatが利用できなくなった場合には、iPhone販売数は激減するリスクがあります。
Bloombergで紹介されているオンライン調査では、「iPhoneとWeChatのどちらか一方を選んでください」という質問を行ったところ、圧倒的多数がWeChatを選び、iPhoneを選んだ回答との差は20倍になったという結果があります。
TikTokが事業売却かサービス停止かの選択を迫られるなど、米国と中国とのIT分野での対立が激化しています。中国がiPhone製造に必要なレアメタルの供給禁止等の報復を行う可能性もあり、Appleは新たな中国リスクを抱えることになりそうです。
大統領令が実際に発効される場合の詳細は不明で、現時点ではApp StoreでWeChatが禁止されるかも不透明なため、今後の対応が注目されます。
Source:Bloomberg
Photo:Bryan Jones / flickr
(seng)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-305559/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania