約8年前、Hamet Watt(ハメット・ワット)氏とStacy Spikes(ステイシー・スパイク)氏は、定額制の映画チケットサービス「MoviePass」を立ち上げた。このサービスは、投資家の心と資金を掴み、何千人もの映画ファンに映画の見放題という、かなりお得なサービスを提供した。
ワット氏は、True Venturesの客員起業家(Entrepreneur-In-Residence、アントレプレナー・イン・レジデンス)としてMoviePass に入社した後、ブランドとプロダクト・プレースメントのスタートアップであるNextMediumを設立し、Upfront Venturesのボード・パートナーとしても活躍していた。現在は連続起業家として知られており、スタートアップ投資家でもあるこの人物は、Share Venturesの支援のもとで、2つのキャリアパスを融合させようとしている。
「今回やろうとしていることは、まさに私がいまやるべきことです。」とワット氏。「私はデザインと起業家精神で問題を解決するのが大好きなんです。私はこれまで投資家としての望みを完全に掻き立てることはしてきませんでした」と続ける。
Share Venturesは、Upfront Ventures、Alpha Edison、True Venturesのジェネラルパートナーと創業者、韓国のファミリーオフィスなど、多くの投資家から1000万ドル(約10億6000万円)の資金を調達し、年に2~4社の会社を立ち上げる予定だ。
ワット氏によると、新しいスタジオは、彼が「ヒューマン・パフォーマンス」と呼ぶものに焦点を当てるという。「これらの事業は、フィットネス、栄養学、メンタルヘルスをターゲットとしたサービスを創造するために、テクノロジーと人間の相互作用を融合させたものになる」と同氏。
Share Venturesが最初に注力するのは「未来の生活」と「未来の仕事」の2つの分野だ。ワット氏は「この2つの分野では、個人の目的の開発、精神的・肉体的な強化、個人的・職業的な成長を可能にするビジネスの開発に注力していく」という。
ワット氏にとって、スタジオモデルはスタートアップ投資の次のイテレーション(反復によって精度を高めること)を象徴している。「スタジオがその道をリードすると考えています」と同氏。「未知数の企業や経営陣に投資するのではなく、既存の企業が新製品や新サービスの開発を繰り返しているのと同じように、スタジオでは迅速にプロダクトを生み出すせると考えています」と語る。
「私たちはツールを集めて、会社のビルディングスタックを作りました。これらは、サードパーティが開発したツールと内部ツールスタックで構成されています」と説明する。
ワット氏によると、シェアベンチャーズは持株会社として運営され、プールされた株式は会社の従業員全員で共有される。「投資先企業とともに働き、専門のチームを構築していく中で、才能を開花させるための十分な資金がある」とのこと。「このモデルは、Share Venturesの本拠地であるロサンゼルスから数マイル離れたカリフォルニア州パサデナを拠点とするBill Gross(ビル・グロス)氏のインキュベーター施設であるidealabと大きな違いはない。また、ドットコム時代にさまざまなポートフォリオ企業を数多く作ってきた@Venturesにも似ている。「我々投資家が立ち上げを支援したすべての会社は、最終的に創業者が所有しています」とワット氏は言う。
同社には10人のスタッフがおり、最初の候補企業を選定している。
ワット氏は2018年にこのアイデアについて投資家と話し始め、2019年の大半を費やして最初の数社の企業を立ち上げようとした。「私たちは多くの実験を行い、多くのアイデアを生み出しています。会社を立ち上げる前にゴールに放り込んだショット数は多いです」と語る。
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(翻訳:TechCrunch Japan)