Microsoft(マイクロソフト)のXbox以外のハードウェアに、人々が最後に興味を持ったのがいつだったのかを私は思い出すことができない。1年弱前に、新しいデバイスがあふれる中で、Surface Duoは多くの注目を集めた。だが同時に多くの人は、それがコンセプトデバイス以上のものになるのかどうかに疑問を抱いていた。
しかし米国時間8月12日、このデュアルスクリーンデバイスは、現実化への重要な1歩を踏み出した。リリース日と価格が明らかになったのだ。それどころか、Surface Duoの事前予約も同時に開始された。発売予定は9月10日だ。それがいくらになるかは当然気にする人は多いはずだ。
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この価格付けの理由の大部分は、Surface Duoがマイクロソフトにとって、この種のプロダクトの第1世代であるからだと思われる。同社によれば、360度回るヒンジや、それぞれの画面の後ろに隠された1対のバッテリーを可能にするケーブルシステムなどを含み、システムをゼロから開発したのだという。
あらかじめお断りしておくが、私はSurface Duoを直接見たわけではない。新型コロナウィルスは私の移動能力を著しく損なっているのだ。とはいえ、今回のハードウェアはとても見栄えがいい。そしてマイクロソフトはダイナミックな2画面体験を確実にするために、Androidの基盤の上で本当にいい仕事を成し遂げている。それでも繰り返しになるが、こうした折り畳みデバイスは、提供される初期のビデオやデモでは極上のものに見えることが多いのが常である。よって私は実物を実際に手にするまでは、本格的な判断は留保しておくことにしたい。
Androidへ追加されたもののほとんどは、マルチタスクなどに重点を置いたものだ。こうしたものの最も目立つ例はおそらくApp Group(アプリグループ)だろう。これを使うことで、基本的にユーザーは、2つのアプリをデスクトップ上の1つのアイコンに結びつけることができる。アイコンをタップすると、2つのアプリが同時に開くので、たとえば片方のディスプレイに本を開き、もう片方にメモ用アプリを開くことができる。あるいは、自虐的な気分になりたいときには、2つのソーシャルメディアアプリを同時に開くこともできる。
Androidはおそらく、マイクロソフトにとって最も自明な選択ではない。これまでも同社は、人間の力がおよぶ限り多くのフォームファクターの上に、Windows 10を搭載しようと多大な時間を費やしてきた。しかしこの決定は、おそらくこの特定のハードウェアのために最適なソフトウェアの選択に本気で取り組む企業にとっての、ある種の成長を示しているものなのだろう。そしてWindows用のモバイルアプリの不足がこの意思決定に結びついたのだ。なにしろSurface Duoはニッチデバイスとして使われ始める可能性が高いのだが、可能性のあるアプリの数を制限することは、その魅力を弱めるだけなのだ。
自分自身が提供する生産性アプリに加えて、同社はすでにKindleアプリ(2画面構成にこれほどふさわしいものもない)のAmazon(アマゾン)を含む、多くの開発者と協力している。はるか昔に放棄されたCourierデバイスによる約束を、やっと実現するときが来たのだ。マイクロソフトによれば、アプリはデュアルスクリーンとは関係なく機能するものの、開発者が独自のフォームファクターに合わせてアプリをさらにカスタマイズするのに、あるAPIが役立つという。
マイクロソフトが折り畳み式ではなくデュアルスクリーンを採用した理由は、ほとんど素材に由来しているようだ。折り畳み式のディスプレイでは、製品を十分に強いガラスで覆うのがはるかに困難になってしまう、そのことは結局ペン入力の利便性を多少なりとも損なうことになるだろう。おそらく、マイクロソフトのSurfaceペンは、プロダクトにとって重要な役割を果たすことになる。たとえそれが1399ドル(約14万9600円)の価格には含まれていないのだとしても。
もちろん、トレードオフがある。トレードオフから逃れることはできない。それがまさにこの世界の仕組みなのだ友よ。この場合、画面間のギャップが、最大のトレードオフのように思える。確かに、2つのディスプレイの合計は、8.1インチというかなりの大きさになるが、その上でビデオを見るということになると、ギャップとベゼルが本当に邪魔なものになる可能性がある。
私はSurface Duoが、最終的にマイクロソフトと業界全体にとって非常に多くの学びを提供するだろうと思っているが、少なくとも、ここ数年のうちに主要なベンダーから提供されたものの中では、最も興味深いものの1つになるだろう。
画像クレジット:Microsoft
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(翻訳:sako)