Stackletを立ち上げたTravis Stanfield(トラビス・スタンフィールド)氏とKapil Thangavelu(カピル・タンガヴェル)氏は、数年前に二人がCapital Oneにいたときに会った。タンガヴェル氏は、オープンソースのクラウドガバナンスプロジェクトのCloud Custodianを作っていた。両氏はそのプロジェクトをベースとするスタートアップを作ろうと決め、米国時間8月12日、ステルスを脱してFoundation CapitalとAdditionから400万ドル(約4億2700万円)のシード資金を調達した。
若きスタートアップのCEOのスタンフィールド氏によると、2013年ごろCapital Oneが完全なクラウド化を図ろうとしていたときCloud Custodianと出会った。Capital Oneはコンプライアンスとガバナンスを求めていたが、その都度1回限りのスクリプトを書いて動かす方法で対処していた。そんな中で彼らは、反復性があってスケールできる方法を探していた。
両氏は「Cloud Custodianは、そういう1回限りのスクリプトがやってることを理解する方法として開発しました。クラウドのコントロールプレーンを見て、関心を向けるべきリソースの集まりを見つけ、該当するスクリプトに対して有効なアクションを行っていた」と説明する。
Capital Oneを去ってから両氏は、一時別々の方向に進んでいたが、今年一緒になって、タンガヴェル氏のCloud Custodianをベースとし、それを今後もオープンソースとして育てていけるようなサービスとしてStackletを始めた。商用企業なので、エンタープライズにとって実装と理解を容易にするための機能も加えた。
クラウドの管理者はオープンソースのCloud Custodianをダウンロードし、自分で勉強して使いこなしてもいいが、Stacklet は何千ものクラウドアカウントの利用状況を管理するための管理レイヤーを提供し、あらかじめパッケージ化された一般的なコンプライアンス要件をすぐに利用できるようにする。
同社の社員は、創業者二人を入れて3名だが、年内には10名に増員するつもりだ。ベースとなっているオープンソースのプロジェクトには世界中に270名のコントリビューターがいる。同社は「リモートに徹したらダイバーシティも十分に可能」と考えている。地理的要件に束縛されなければ、世界中どこからでも人を雇える。つまり、多様な人材から成るチーム組成が可能なはずだ。
両氏は、いまは創業と資金調達が難しい時期であることを自覚している。でも明るい面は、起業のために毎週飛行機でサンフランシスコへ行ってVCたちと折衝する時間を節約できることだ。
しかもFoundation CapitalのパートナーSid Trivedi(シド・トリヴェディ)氏のほうも「創業者に一度も会うことなく投資をしたのはこれが初めてだ」とのこと。長い議論から彼が学んだのは「創業者の機会を逃すまいとする情熱、市場の動態に関する経験、そしてITとセキュリティの管理者と開発者の両方のニーズを満たす彼らの問題解決能力のビジョン」だそうだ。
画像クレジット: Stacklet
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)