Walmart(ウォルマート)のeコマースへの投資は利益をもたらし続けている。eコマースはオンラインを通した食料品の配達とピックアップを含む。ウォルマートは8月18日午前の第2四半期決算発表で、米国のeコマース売上が97%増加したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の間にオンラインで買い物をする顧客が増えた。家庭用品を買いだめしたり、オンラインで食料品を購入したりしているのだ。
現在ウォルマートは、3450店で食料品のピックアップ、2730店で即日配送のサービスを提供している。2月以降、消費者の需要を満たすため利用可能時間帯を30%拡大した。
全体としては、同四半期に米国の消費者が受け取った政府の景気刺激策としての給付金の影響が同社にとってプラスに働いた。刺激策による給付が終わると、売上高は元に戻り始めた。それでも同社の7月の売上高は前年同月比4%以上増加だと同社は述べた。
ウォルマートのオンラインマーケットプレイスもeコマース全般の売上増加に押し上げられ、売上高がパーセンテージで3桁増加した。
さらに、第2四半期の米国の既存店売上高は9.3%増加した。食料品と雑貨が伸びた。ウォルマートのDoug McMillon(ダグ・マクミロン)社長兼CEOは、テレビ、コンピューティングデバイス、コネクテッドホームなどのカテゴリーの売り上げが好調だったと指摘した。いずれも人々が在宅を余儀なくされたパンデミックに関わりのある商品だ。また、新型コロナウイルスの感染が拡大している地域の消費者は、いまだに品切れであることが多い清掃用洗剤などの買いだめを続けていると述べた。同四半期の消耗品売上は、清掃用洗剤と紙製品(トイレットペーパーやペーパータオルなど)が牽引した。
一方、食料品全体の購買増加はパンデミックの影響によるところもあり、オンラインにより食料品の買い物がしやすくなったことだけが理由ではないと思われる。レストランでの食事の代わりに家で食事を作る人が増えるにつれ、食料品の購入も増えた。ウォルマートは、同四半期の食料品の配達とピックアップの両方で「史上最高の販売量」を記録したと述べた。
パンデミックは消費者の買い物の仕方も変えたと同社は指摘する。消費者は定期的に店に買い物に行くのではなく、頻度を減らし1回の買い物でたくさん買うようになった。eコマースへのシフトも加わり、同四半期の買い物1回あたりの購入額は前年同期比27%増加し、買い物の回数は同14%減少した。
すでに報じられているがマクミロン氏は決算発表の電話で、メンバーシップサービスを導入する計画を簡単に説明した(Vox記事)。Amazonプライムに相当する「Walmart +」(ウォルマートプラス)に取り組んでいる模様だ。だが立ち上げは、繰り返し延期されている(Vox記事)。CEOによれば、ウォルマートは昨年から「Delivery Unlimited」(配達無制限)プログラムで会員サービスの配達部分をテストしている。同社はこれが会員プログラムの「素晴らしい基盤となる」とうたっている。
「昨年末からメンバーシップでの配達サービスを限られた会員数でテストしてきた」とマクミロン氏は語った。「顧客の選択肢は食料品と消耗品の配達サービスに限られていた。サービス開始以降、スーパーセンター全体で幅広いカテゴリーから選択できるようにした。食料品や消耗品だけでなく、その他の一般的な商品も取り揃えている。品揃えの幅や全米で迅速に顧客に配達できる能力は、その他のメリットとあわせて説得力のある提案になると考えている」と同氏は付け加えた。
現在、Delivery Unlimitedの会員はWalmart.comからオンラインで食料品を注文する際、注文ごとに利用料を払うのではなく、月12.95ドル(約1380円)または年98ドル(約1万400円)を支払う。ただしWalmart+にはガソリン割引や商品特別割引などの特典が含まれる(Vox記事)とのことだ。
マクミロン氏はサービスの詳細については明らかにしなかったが、準備が整い次第、より詳細に説明すると語った。
全体として、ウォルマートの同四半期の業績は予想を上回った。売上高は1377億4000万ドル(約1兆4600億円)で、市場予想の1354億8000万ドル(約1兆4400億円)を上回った。1株当たり利益は、市場予想の1.25ドル(約133円)に対し、調整後で1.56ドル(約165円)だった。同四半期の純利益は64億8000万ドル(約6900億円)で1株当たり2.27ドル(約240円)と、前年同四半期の36億1000万ドル(約3800億円)で同1.26ドル(約134円)から増加した。
画像クレジット:Scott Olson / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)