英国・プレザントンを拠点とするグリーンエネルギースタートアップのNDBは米国時間8月25日、ナノダイヤモンド電池(NDB)の2つの概念実証試験を完了し、重要なマイルストーンに到達した。そのうちの1つはローレンス・リバモア国立研究所、もう1つはケンブリッジ大学のキャベンディッシュ研究所で行われ、いずれでもNDBのバッテリー技術は40%の充電効率を達成し、これは標準的な市販ダイヤモンド電池の15%の充電効率(最大充電量に対するエネルギー損失率)を大幅に上回るものだった。
NDBのイノベーションは、バッテリーの製造に使用されるダイヤモンドからより効率的に電荷を抽出することを可能にする独自のナノダイヤモンド処理を開発したことにある。彼らの目標は最終的には最大2万8000年の寿命を持つ、炭素14の核廃棄物から作られた人工ダイヤモンドによる自己充電可能なバッテリーの製品化である。
このバッテリーは稼働中に二酸化炭素を排出せず、外気に触れるだけで作動する。技術的にはバッテリーではあるが、消費分が最終的には充電されるので、特定のデバイスや個々のユーザーの寿命よりもはるかに長い期間自ら充電し、実質的に充電不要のソリューションとなっている。
NDBは最終的に同社のバッテリーを航空機やEV、電車、スマートフォン、ウェアラブル、小さな産業用センサーなど、電力を消費するあらゆる用途のための実用的な電源にしたいと考えている。同社は現在、最初の商用バッテリーのプロトタイプを作成中で、年内には製品を発売する予定だ。
またNDBは最初のベータ版の顧客と契約したばかりで、彼らは実際に最初のプロトタイプを受け取り利用することになる。具体的な顧客の名前は明かされていないが、1社は「核燃料サイクル製品とサービスのリーダー」、もう1社は「世界的な航空宇宙・防衛・セキュリティ関連のリーディングカンパニー」だと述べている。明らかにこの種の技術はほぼすべての分野で魅力的だが、防衛と電力関連業者は最も潤沢な資金を投じることができるだろう。
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