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モバイルメッセージを自由なキャンバスとして再デザインするMuze、Sequoiaなど米著名VCも注目

米国ニューヨーク発のスタートアップのMuze(ミューズ)が、モバイルメッセージングを再考している。現在のメッセージングアプリは、何年にもわたって写真やビデオ、音声メッセージ、リアクションなどを共有できるように拡大してきた。Muzeは従来のメッセージングエクスペリエンスを無地のキャンバスとして完全に再デザインし、より創造的な対話を可能にする。同社のiOS上の新しいモバイルアプリには、ユーザーがテキストを書いたり、写真やGIFをピン留めしたり、コンテンツを拡大または縮小したり、さまざまなペンサイズや色を使用してメッセージングキャンバス自体に描画するといった機能が満載だ。

その結果は、会話のテキストの間に、写真、ビデオ、あるいはリンクが差し込まれた通常のメッセージング画面とは全く異なるものとなる。Muzeの中でのチャットは、一種のアートコラボレーションプロジェクトのように見える。アイデアのコラージュ、ミームボード、スケッチパッド、どのように使うかはユーザーの自由だ。

雑多な新機能は満載だが、Muze自体はすぐに使い始めることができて使うのも簡単だ。

画像クレジット:Muze

Muzeでアカウントにサインアップを行い、必要に応じて連絡先を同期してみると、最初に表示されるのは、典型的なメッセージングインターフェイスのように見える画面だ。ここには文字を打ち込むテキストボックスや、iPhoneのカメラやフォトギャラリーにすばやくアクセスして、メディアをチャットに追加するためのボタンがある。

右端には、ペンのアイコンも置かれているが、これはMuzeが何か普通とは違う振る舞いをすることがわかるだろう。

画像クレジット:Muze

しかし、機能を掘り下げていくに従って、Muzeにはより多くの対話方法が用意されていることに気がつく。例えば、フォトギャラリーのアイコンをタップすると、自分のメディアへアクセスできるだけでなく、写真を検索したり、GiphyからGIFを追加したり、何十ものカスタムステッカーの1つを取り込んだりできることがわかる。

その中には、テキストをフレームに入れたり、メッセージに反応したり、画面を装飾したりするためのステッカーや、絵文字をマッシュアップしたセット。懇願する顔や、ハートに囲まれる絵文字や、TikTokでみられるような顔の前で両手の指の先をくっつけた「だってシャイなんだもん」シンボルなどが含まれる。TikTokで人気のEye Mouth Eye(目口目)絵文字セットも、開いた腕と小さな足のある黄色いスマイリーの上に貼り付けられている。

テキストボックスをタップして入力を始めると、Muzeの拡張機能がさらに現れる。ボタンをタップして、フォントやテキストの色、そして配置を変更したり、吹き出しのハイライトカラーをオンにすることができるのだ。

チャットの吹き出しは画面上の任意の場所にドラッグアンドドロップして、テキストを入力したり、大きくしたり小さくしたりすることができる。そうした吹き出しを画像の上などに貼り付けることができる。

一方、ペンを使用すると、空白のキャンバス上だけでなく、テキスト、画像、ステッカーなど、チャットを装飾するために使用したものの上に、何でも描くことができる。

画像クレジット:Muze

とはいえ、知らないと使えない機能も多少ある。例えば、現在のチャットの下のキャンバスの空白領域に何か書き込みたいと思って、メインチャット画面でペンアイコンをタップする場合もあるだろう。だが、そこで下にスクロールしようとすると、画面に絵が描かれてびっくりしてしまう。既存のチャットの下の領域に実際に描画するには、テキストボックスをタップしてから、灰色のiOSツールバーに表示される別のペンアイコンをタップする必要がある。もちろん、複雑なTikTok編集を扱える若者なら、この種の変わった操作に悩まされることはない。

画像クレジット:Muze

アプリにはほかにも、今どきの機能がいくつか備わっている。例えば、事前に設定されたものの中から、アプリのアイコンを変更できる機能などだ。また、今では一般的な、明るい色や暗い色の切り替えだけでなく、ミレニアルピンク、ミントグリーン、ダークティール、フォレストグリーン、パープル、ライトブルーなどの色調でアプリのテーマを設定することもできる。

こうしたものを組み合わせることで、若者へのアピールポイントをたくさんもったアプリが出来上がった。Muze自身が、ミーム、GIF、その他のクリエイティブコンテンツやオンラインで交流することに慣れている 若者たちによってデザインされた(The Brown and Whiteサイト)ことを考えれば、それは当然のことだろう。現在、Muzeの共同創業者として名前を連ねているのは、Douglas Witte(ダグラス・ウィッテ)氏、Willem Simons(ウィレム・シモンズ)氏、そしてGrant Davis(グラント・デイビス)氏、そしてMuzeのCEOであるFenner Stevens(フェナー・スティーブンス)氏だ。

市場に登場してまだ日は浅いが、Muzeはすでに投資家たちの関心を集めている。Crunchbaseと、2019年から2020年にかけてSECに提出された書類(Form Dsサイト)によれば、Muzeは株式と融資の両者で約700万ドル(約7億4400万円)の外部資金を調達している。 AngelListに掲載されたMuzeの支援者には(AngelListサイト)、Sequoia Capital、Tribe Capital、Maveron、True Ventures、Grand Central Tech、Village Global、そしてHiten Shah(ヒテン・シャー)氏らが並んでいる。他にも少数の小規模なファンドやエンジェルたちが、Muzeを支援していることを私たちは知っている。

Muzeのチームは、今後の事業計画についてのインタビューを受けることは拒否したが、資金調達については認めた。アプリは現在App Storeから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:sako)

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