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ウシオ電機と東芝ライテックが一般照明器具向け紫外線除菌・ウイルス抑制装置を共同開発、2021年1月からの販売目指す

ウシオ電機東芝ライテックは8月26日、有人環境下で使用できるウシオの222nm紫外線殺菌技術を用いた「Care222 光源モジュール」を搭載した紫外線除菌・ウイルス抑制装置の共同開発、「Care222 光源モジュール」を用いた自動車・鉄道車両向け装置、一般照明器具の開発に関して業務提携すると発表した。開発した商品は、2021年1月からの販売を目指す。

両社は、自動車および鉄道車両向け紫外線除菌・ウイルス抑制装置を共同開発するとともに、ウシオはCare222 光源モジュールを東芝ライテックに供給開始し、東芝ライテックはそれを自社の照明器具に組み込み、ウイルス抑制・除菌+照明という新しいコンセプトの商品やサービスを開発する。

今回の提携により両社は、自家用車・通学バス、満員電車内などの交通・移動空間において、新型コロナウイルスをはじめとするウイルス・細菌への感染リスク低減、学校・オフィス・商業施設など公共空間でのパンデミック防止など、安心・安全な環境づくりに貢献する商品・サービスの提供を目指す。

Care222は、人や動物の皮膚や目に安全でありながら、紫外線本来のウイルス不活化・殺菌能力を保持した新しい紫外線光源という。従来、紫外線によるウイルス不活化や殺菌には、波長254nmの紫外線が用いられてきたが、皮膚傷害などが発生するリスクが高く、人体への直接照射は避けられてきた。

これに対しウシオが開発したCare222は、自社のエキシマランプに特殊な光学フィルターを組み合わせることで、人体に安全な200~230nm紫外線のみを照射。有人環境下においてウイルスや細菌の付着が疑われる空間や環境表面(建材や器具、衣服などに)に直接照射してのウイルス不活化・殺菌を可能にした。

エキシマランプとは、1993年にウシオ電機が世界で初めて商品化した誘電体バリア放電エキシマランプ。普及とともに「エキシマランプ」と呼ばれるようになり、1999年には、一般固有名称として液晶ディスプレイ製造装置用語辞典第2版(日本半導体産業装置協会編)に掲載された。

Care222では、エキシマランプ(水銀を含有しないエキシマ発光による紫外線ランプで、ウシオは222nmを主波長とする単色紫外線光源を使用)と特殊な光学バンドパスフィルターを組み合わせ、人に優しい紫外線波長域(200nm-230nm)のみを照射。同技術は米国コロンビア大学にて2012年に特許化され、ウシオは全世界における独占実施権を有している。

ウシオは、創業より56年に渡って紫外線が持つ効果に着目。2015年からは米コロンビア大学とともに人の皮膚や目に安全な222nm紫外線技術の開発に着手している。自社の使命のひとつと位置付けている光技術での「安心・安全」な環境づくりの実現に向け、有人環境下で使用できるウイルス不活化・殺菌技術「Care222」を確立した。

東芝ライテックは照明事業130年の歴史を持ち、オフィス・店舗・工場などの照明器具や、舞台・スタジオや空港などの専門性の高い照明システムに加え、車載光源、紫外線光源およびそれらを組み込んだ光学装置、赤外線ヒーターといった産業光源など、幅広い事業展開を行っている。

「光」を軸に事業を展開している両社は、いまだ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け、それぞれの光技術を融合させることで安心・安全な空間・環境を光で実現すべく今回の業務提携に至ったという。

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