TikTok(ティクトック)のCEOを務めていたKevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏が8月26日に辞任を表明した。元ディズニーの幹部が世界最大の短編ビデオアプリに加わった5月中旬(未訳記事)から100日余りしか過ぎていない。
このニュースは、TikTokが来たるべき禁止令を巡り米国政府を訴訟した直後に報じられた。中国の新興インターネット企業であるByteDance(バイトダンス)傘下のTikTokは、同アプリが米国の国家安全に脅威をもたらすと主張する米国政府の中国政府との緊張の真っ只中にいる。
8月6日にドナルド・トランプ米大統領は「もしByteDanceがアプリの米国内事業を売却しなけれはTikTokを閉鎖する」という大統領令発動に署名した。TikTok事業の売却は11月中旬まで猶予がある。
「過去数カ月の政治力学がメイヤー氏の役割の範囲を大きく変えたことを認識しており、会社は同氏の決断を全面的に尊重する。同社でともに過ごした時間に感謝するとともに今後の活躍を祈る」とTikTok広報担当者がTechCrunch宛ての声明で語った。
New York Timesによると、メイヤー氏は従業員に宛てたメモで自身の決断を発表し、TikTokの中国とのつながりに関してトランプ政権から圧力を受けてきたことを伝えた。「TikTokが中国と米国の緊張にここまで巻き込まれるとは予想していなかった」と情報筋はFinancial Times(フィナンシャル・タイムズ)に語った。
報道によると、TikTokの現ゼネラルマネージャーであるVanessa Pappas(ヴァネッサ・パパス)氏が暫定CEOに就任する。
迫りくるTikTok売却の噂は世界中の投資家の関心を誘い、Microsoft(マイクロソフト)が買収の意志を表明しているほか、予想外なところではOracle(オラクル)も名乗りを上げている。
画像クレジット:Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )