Transposit(トランスポジット)はエンジニアによるエンジニアのための会社である。その提供するサービスの主軸は、将来必ず起きる障害発生時に、システムを迅速に起動し運用を始める手段だ。Transpositは、より迅速な障害復旧のためのランブック(作業手順書)を構成する方法を考案した、そのランブックはデータを使って自動的に更新される。
米国時間9月2日、同社は Altimeter Capitalが主導する3500万ドル(約37億2000万ドル)のシリーズBラウンドを発表した。既存の投資家であるSutter Hill Ventures、SignalFire and Unusual Venturesも参加している。同社によれば、今回のラウンドにより、調達総額は5040万ドル(約53億5000万円)に達したという。
同社のCEOであるDivanny Lamas(ディバニー・ラマス)氏とCTOで創業者のTina Huang(ティナ・ファン)氏は、技術的な問題を、エンジニアリング上の問題というよりは、より人間の問題として捉えている。なぜなら障害が起きたときに混乱を収拾するのは人間だからだ。ファン氏は、物事の人間的な側面を忘れてしまうせいで、テクノロジーが道に迷うことになるのだと考えている。
「私たちの製品の真の能力は、人間と物事のユーザー側に焦点を合わせていることによって発揮されています。その結果、私たちはある意味差別化できているエンジニアリングカルチャーを生み出していると考えています」とファン氏はTechCrunchに語った。
Transpositは、APIや他のプログラムへの接続を管理することを支援するプラットフォームである。そのため企業内では、さまざまな基盤となるテクノロジーがどのように連携しているかについての基本的な理解から始まる。これは、パニックの瞬間にエンジニアを助け、通常状態に復帰する方法を発見しようとするツールにとって不可欠だ。
障害復旧は、基本的に2つの部分から構成されている。システムを再び稼働させることと、何が起こったかを理解することだ。最初のものに対して、同社はデータ駆動型ランブックを開発している。データ駆動型であるため、それは静的な文書ではない。その代わりに、その基礎となる機械学習アルゴリズムが、エンジニアがどのように回復と調整を行えばよいかを発見していくことができる。
現在、同社にはファン氏とラマス氏を含む26人の従業員がいる。ラマス氏は昨年ファン氏がSplunk(スプランク)からスカウトしCEOに据えた人物だ。2人の女性が組織を運営しているという意味で、同社はややユニークな存在だが、彼らは今後12か月で従業員数を50人に増やす中で、労働力の多様性を確保しようと努力している。
現在の構成は47%が女性エンジニアである。会社を成長させる中で多様性を維持していくことを目標としているが、それが難しいことはラマス氏も認めている。「私やティナが、魔法の答を知っていれば良いのにと願いました。でも実際には、私たちは採用担当者に対して非常に厳しい条件を課しています。また、候補者の多様なパイプラインを持つことを強く主張していて、常に数値を調べ、どのように物事が進んでいるかを検討しています」とラマス氏はいう。
彼女は多様性があることで、実際に良い候補者を採用することがより簡単になるという。「ひとは多様性のある企業で働きたいと思っています。そして、それは一種の文化的観点から私たちに本当の優位性を与えて、現状に飽き飽きしていた本当に素晴らしい候補者との出会いを生み出すのです。そうしたひとは、古いやり方に飽き飽きしていて、自分たちが住みたい世界を反映した会社で働きたいと思っているのです」と彼女は語った。
2016年に設立された同社は、最初の基盤となるAPIプラットフォームを構築するのに数年を要した。今年は、そのプラットフォームの上に障害復旧機能を追加し、夏の初めからベータ版を運用している。彼らは、今年後半に一般提供を開始する前に、追加のベータ版ユーザーを獲得したいと考えている。
関連記事:How you react when your systems fail may define your business(未訳記事)
画像クレジット:Transposit
[原文へ]
(翻訳:sako)