米国時間9月3日、格安航空会社(LCC)のSpirit Airlinesは、シカゴ・オヘア国際空港の同社チケットロビーにバイオメトリクスのチェックインを導入した。「チェックインの処理を円滑化し、新型コロナウイルスの感染蔓延の間の同社従業員と乗客が顔を合わせる機会を減らしていく」と発表した。
その新しい処理は単純明快だが、それでも最初にカスタマーサービスの係が乗客のIDをチェックしてから、新しいチェックインとバッグドロップ(自動手荷物預け機)の装置へ向かう。乗客がこの自由選択制のバイオメトリクス方式を選んでいたら、IDがまずスキャンされて写真と顔のスキャンと比較する。今後同社は、係がIDをチェックする最初の部分を省略したい意向だが、それにはTSA(運輸保安局)の承認が必要だ。
すべてが計画どおりに進めば、乗客はバッグを預けて先へ進む。途中、TSAのチェックポイントがあるが、これは航空会社の仕組みとは関係ない。
新型コロナウイルスの感染蔓延前には、チェックインカウンターの社員数を減らすことは単純なコスト削減努力だった。自動手荷物預け機のセルフサービス化は、すでに当たり前になっている。しかし今では、旅客数が記録的に減っていても、自動化は正しいやり方だと感じられている。
Spiritが強調するのは、いかなるデータも政府の手に渡っていないこと、Spiritの社内から外に出ることはないことだ。バイオメトリクス、中でも顔認識は、少なくとも米国では空港での利用も長年論争のマトだった。米国では例えば国土安全保障省が、国際線の搭乗前のバイオメトリクススキャンをテストしたし、今ではTSAが乗客がセキュリティラインを超えるときのセルフサービスのチェックポイントを試験している。今では、セキュリティを通るときの、CLEARシステムによる指紋や顔のスキャンを不快とは思わない乗客も増えているが、やはり不快に思う乗客も少なくない。今は新型コロナウイルスの感染蔓延の非常時で、しかもデータは政府と共有しないと航空会社が主張しているにもかかわらず、気持ち悪いと感じる人もいるのだ。