VW(フォルクスワーゲン)の次世代オール電化コンパクトSUV「ID.4」のティザーイメージが新たに公開された。往年の自動車のトグルやノブをすべて削除することなく、タッチスクリーンやドライバーとの会話に使用されるアンビエント照明などの技術を巧みに取り入れたインテリアが明らかになった。
要するにID.4は、トグル、スイッチ、タッチスクリーンを備える自動車としてミニマリズムのバランスを取っているように見える。これはEVの世界において、程よい状態なのだろうか?少ない画像ではその疑問には答えられないが、幸いなことにID.4とそれに関するすべての詳細は今月末に明らかになるだろう。
それまでは、これらの画像でID.4のインテリアがどのように見え、どのように動作するかについての最初のヒントとなる。VWにとって、この最新の車両には大きな賭けだ。ID.4は同社の「Transform 2025+」戦略の一環として、2024年までに電動モビリティに110億ユーロ(約1兆3800億円)を投資する計画の一環だ。
ID.4は、VWグループとその子会社が開発した電気自動車用のモジュール式自動車プラットフォームであるMEB platformを採用した第2世代の電気自動車で、VWは電気自動車を生産するための柔軟なモジュラーシステム (共通部品のマトリックス)で効率性とコスト効率を高めようとしている。また、北米では初のIDバッジ付き車両となる。第1世代のID.3は欧州でのみ販売される。
ID.4の内部
VWは米国時間9月4日のリリースで、電気プラットフォームの採用で生じたスペースを活用していることを強調した。そして、それは、少なくともこれらのいくつかの画像にで裏付けされていると考えられる。
内部を見ると、2つのデジタルスクリーンがある。1つは、ドライバーの視覚に入る場所に位置しており、別の大きなタッチスクリーンは中央にある。特筆すべきはセンターコンソールの高さだ。ダッシュボードよりも高くなっているのは、ドライバーが画面を見下ろさずに済むようにするためだろう。画像ではわかりにくいが、このタッチスクリーンの下部にも物理的なトグルがいくつかある。
周囲の照明、具体的にはフロントガラスの下にあるライトストリップに注目してほしい。同社はこれをID.Lightと呼んでおり、ほかのIDブランド車にもこの機能が搭載されることを説明している。このライトはドライバーを「サポート」するように設計されており、車両の駆動システムがアクティブになっているときや、車のロックが解除されたときなどに信号を発する。また、ブレーキのプロンプトや電話の着信を知らせるほか、車線変更を促すために点滅する。
また同社は、車のキーをドアやトランクをロック・アンロックするための3つのボタンを備えたスマートな外観にアップデートした。VWの乗用車をあまり知らない人のために説明すると、キーは伝統的にフリップデザインだった。
ID.4は、中国、欧州、米国で生産・販売する。VWが約12億ユーロ(1510億円)を投じて電気自動車のみを生産する工場に転換したドイツ・ザクセン州のツウィッカウ工場で生産を開始する。来年までに、ツウィッカウ工場で年間30万台を生産予定だ。
VWグループの役員でe-モビリティ担当のThomas Ulbrich(トーマス・ウルブリッヒ)氏は先月、中国の2工場で今年中にID.4の生産を開始すると述べた。また、米国テネシー州チャタヌーガの工場では、2022年にID.4 生産を開始する。
画像クレジット:VM Group
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(翻訳:TechCrunch Japan)