クオリティの高さで知られるグラスヒュッテの腕時計
腕時計に多少なりとも興味を持ったことがある人はもちろん、デザインプロダクトを好む人であればノモス グラスヒュッテの存在はご存知だろう。今や、ノモス グラスヒュッテは数多くのコレクションを展開するに至っているが、すべてに共通するのはラウンドやスリムなライン、直角で構成されたミニマルなデザイン。とりわけ同社の代表作として知られる「タンジェント」は、ドイツにあった芸術とデザインの総合学校であるバウハウスを引き合いに出されることも多く、それは、ルイス・サリヴァンが提唱し、のちにバウハウスのポリシーにもなった「形態は常に機能に従う」を範としたデザインになっているからだ。
ノモス グラスヒュッテは1990年にローランド・シュヴェルトナーによって設立されたブランド。本社を構えるのはベルリンの南でチェコとの国境にほど近い、森と谷に囲まれた街、グラスヒュッテ。遡ること1845年、この地域でそれまで盛んだった鉱業が資源の減少によって衰退し始めた頃、ザクセン王国の3代目国王であるフリードリヒ・アウグスト2世が、グラスヒュッテに新たに時計産業を興す使命を時計技師フェルナンド・アドルフ・ランゲに与え、以後、この地域の時計産業は発展を遂げていく。
第二次世界大戦後には東西分断があったものの、優れた技術とクオリティはしっかりと継承され、1990年代以降、この地で製作された時計は世界中で高い支持を獲得。ノモス グラスヒュッテもそんなブランドに名を連ねるひとつだ。現在、ムーブメントの50%以上をグラスヒュッテで生産しているメーカーでなければ“グラスヒュッテ製”を謳えないほどその品質は厳密に管理されているが、ノモス グラスヒュッテのムーブメントは95%以上のパーツを同地で生産しているというから、クオリティの高さは明白であろう。
時のザクセン候にも御前演奏を行った楽聖へのオマージュモデル
2020年、ノモス グラスヒュッテは生誕250周年を迎えたベートーヴェンにちなんだ新作「テトラ シンフォニー」を発表した。ベースとなるのは「テトラ」。ノモス グラスヒュッテが創業時より展開している定番コレクションで、同社らしいミニマルなダイアルデザインと29.5×29.5mmのスクエアケースを組み合わせたモデルだ。「テトラ」はこれまでも独特なダイアルカラーを採用してきたが、今回の「テトラ シンフォニー」で新たに4色を追加した形だ。
ユニークなのは、それぞれのカラーにベートーヴェンに関連したモデル名が付いている点。ターコイズブルーのモデルは「テトラ UNSTERBLICHE GELIEBTE(不滅の恋人)」とネーミングされ、これはベートーヴェンが1812年にしたためたラブレターに記されていた宛名。ダイアルをコッパーに彩った「テトラ GÖTTERFUNKEN(神々の霊感)」はお馴染み、交響曲第9番第4楽章で歌われる「Freude, schooner Götterfunken(歓喜よ、神々の麗しき霊感よ)」の一節から取ったもので、オリーブグリーンが印象的な「テトラ Ode an die Freude(歓喜の歌)」も同様に、交響曲第9番第4楽章の第一主題から付けられている。そして落ち着いたダークブルーの「テトラ Fidelio(フィデリオ)」は、ベートーヴェンが完成させた唯一のオペラのタイトルだ。
ノモス グラスヒュッテ
テトラ UNSTERBLICHE GELIEBTE(不滅の恋人)
29万7000円
ノモス グラスヒュッテ
テトラ GÖTTERFUNKEN(神々の霊感)
29万7000円
ノモス グラスヒュッテ
テトラ Ode an die Freude(歓喜の歌)
29万7000円
ノモス グラスヒュッテ
テトラ Fidelio(フィデリオ)
29万7000円
搭載されているのは自社製の手巻きムーブメント「アルファ」。パワーリザーブは約43時間を実現し、ストップセコンドを採用。ムーブメント表面の3/4プレートには美しいグラスヒュッテストライプを施し、その姿はサファイアクリスタルのケースバックから眺めることができる。29.5×29.5mmのサイズは女性はもちろんのこと、スモールサイズが人気の現在、男性の手首にも上品に収まってくれる。クリスマスシーズンを見据え、不滅の恋人へのプレゼントを検討してみたり、シェアウォッチとして楽しんだりする……なんてのもいいかもしれない。
問大沢商会●03-3527-2682
https://nomos-glashuette.com/ja
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000129268/
- Source:デジモノステーション
- Author:竹石祐三